2014年05月28日

居場所を求めて小さなデイサービスへ

ちょっと散策のつもりが…
ご主人と長男の三人暮らしだった女性。
1年半ほど前にご主人を亡くされ、その頃から物忘れなどの症状が出てこられるようになったそうです。
心配された長女が引っ越してこられ、一緒に住むようになりました。
ご本人様は、外出はあまり好きではない様子で、ずっと家にいらっしゃったそうです。
しかし時折、散策に出かけられて、帰って来られなくなることがありました。
不安に思われたご家族様は、ケアマネジャーに相談され、
そこで初めて、デイサービスの利用を考えられたそうです。

初めての場所に戸惑い、緊張されていた
それからご家族様は、いくつかの施設をご見学されました。
大きな施設は、大勢のお客様がいらっしゃり、賑やかですが、
ご本人様は、ゆったりとご自分のペースで過ごしたいと思われる方。
そこでご家族様は、「小さく、家庭的なところが良い」と考えられ、
ふるさとをご利用されることになりました。
初めてスタッフがお迎えにあがったとき、ご本人様は戸惑われていました。
「どこに行くの?」と、繰り返し、何度も聞かれました。
スタッフは、事前にご家族様とお話してありましたので、
「ドライブでもいかがですか?」とお誘いし、施設へと向かいました。
しかし、施設に着いても、ご本人様にとっては知らない場所なので、緊張されている様子でした。
口数も少なく、ほとんどの時間、うつむいておられました。
また、施設でのお食事は、全く手を付けられませんでした。

慣れない環境の中、たくさんの食事を目の前にして
ご本人様はもともと、少しずつゆっくりと食べられると、ご家族様から伺っていました。
スタッフは、施設でのお食事に全く手を付けられないご様子を見て、
「慣れない環境の中、一度にたくさんのお食事を前にして、驚かれたのでは?」と思いました。
そこで、数皿に分かれていたおかずをまとめて、ひとつのプレートに。
ご飯は、小さなおにぎりのように一口大に丸め、量も、少しだけ減らしてみました。
また、常にご本人様のペースに合わせて召し上がっていただけるように、
「ゆっくりでいいですよ。大丈夫ですよ」と、お声をかけ、スタッフは見守りました。
すると、少しずつ、食べていただけるようになりました。
時々、ご飯のみを食べられ、おかずを召し上がられないこともありました。
そんなときは、「これは○○様のために、スタッフが心を込めてお作りしました。
少しで良いので、召し上がってくださいね」とお声をかけると、ゆっくりと召し上がっていただけるように。
その頃から、ご本人様の温和な性格が表情に現れるようになり、穏やかにほほ笑んでくださるようになりました。

周囲を明るくしてくださるような笑顔で
4ヶ月経った今では、ほとんどのお食事を召し上がってくださるようになりました。
おやつも、美味しそうに召し上がってくださいます。
また、レクリエーションにも積極的に参加されるようになり、
「今日は何をするの?」と、毎回、楽しみにしてくださっている様子です。
そればかりでなく、ご本人様は、いつもお日様のようにほほ笑まれ、周囲を温かい気持ちにしてくださいます。
ふるさとを信用し、居場所として認めてくださったようで、スタッフは大変嬉しく思います。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内