2017年04月26日

気持ちを代弁して一緒に喜ぶように

不可解な行動を繰り返すようになった
奥様と二人暮らしの男性。
少しずつ物忘れの症状が見られ、そのうちカレンダーを切り続けたり、
奥様が読んでいる本を勝手にめくったりと、不可解に見える行動をとるようになりました。
その度に奥様は、ご本人に言い聞かせるように優しく注意をしていたのですが、
何度話しても止めてもらえず、疲れてしまったそうです。
ケアマネジャーに相談すると、ふるさとを勧められたとのことで、
早速ご利用いただくこととなりました。

険しい表情を崩さず、受け入れてもらえなかった
ご来所されたご本人は、険しいご表情をされていて、
どのスタッフがお話しかけても、お返事していただけませんでした。
ご入浴やお手洗いへご案内すると、手が出ることもあり、なかなか受け入れてもらえませんでした。
終始落ち着かず、どこかイライラしたような様子があり、
周りの方とお話をしたり、皆様とレクリエーションを楽しんだりすることは難しいようでした。

気持ちを代弁しながら、一緒に喜ぶようにお話しかけた
しばらくご様子を見させていただくと、トランプなどのカードゲームを他の方々と一緒に行う際に、
カードを剥がそうとしたり、ポケットに仕舞ったりすることがありました。
スタッフや周りの方が「カードをください」などと声をかけると、怒り出すことがあったのですが、
不可解に見える行動もご本人にとっては意味があり、考えや気持ちを表わす手段です。
ご本人はカードを気に入られたのだろうと思い、カードを剥がそうとした時は「剥がれますね」と、
ポケットに仕舞われた時は「お気に召しましたか? それはよかったです」と、
スタッフは、ご本人の気持ちを代弁し、それを一緒に喜ぶようにしました。
すると、「うん、うん」と頷いたり、ニコッと笑ったり、時々スタッフにカードを見せてくださり、
コミュニケーションを楽しんでいただけるようになりました。

同じ対応をご自宅で 今まで以上に穏やかに
レクリエーション以外の場面でも、行動を否定せず、気持ちを代弁するように対応させていただくと、
手が出ることがなくなり、次第にご表情が穏やかになりました。
また、特に気を許しているスタッフからのお誘いだと、
お手洗いもご入浴もすんなりと受け入れていただけるようになりました。
ケアマネジャーより、「やっぱりふるさとさんの対応は違いますね」とのお言葉をいただき、
奥様が「顔が変わって、行動も落ち着いてきた」と喜んでいたと、伺いました。
また、奥様もスタッフと同じよう対応したところ、
ご本人は今まで以上に穏やかになり、安心している様子が感じられるようになったそうです。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内