2017年04月19日

個別対応で見えた性格と適切な声かけ

お風呂やお手洗いを嫌がるようになった
奥様と二人暮らしの男性。
足を悪くしてから、ご自分から動こうとしなくなったそうです。
お風呂やお手洗いへ行く際は奥様が手伝っていたのですが、徐々に拒否が見られるようになり、
デイサービスの利用を考えてケアマネジャーに相談されたそうです。
認知症の方専門のふるさとを勧められ、ご利用いただくことが決まりました。

どんな方法で誘っても「イヤだ」、「面倒だ」
お迎えに伺うと「面倒だな」とおっしゃり、なかなか来ていただくことができなかったのですが、
たまたま奥様に用事があった日に、「奥様がご帰宅されるまで一緒に過ごしませんか」とお誘いし、
ご来所いただくことができました。
それから定期的に来ていただけるようになったのですが、
入浴やお手洗い、歯磨きなどは、どのスタッフからご案内しても、
「イヤだ」、「面倒だ」と手を払うようにして、拒否されることが続きました。
「今日は寒いので、お風呂はいかがですか?」、「お手洗い、空いていますよ」など、
様々な方法で誘ってみたのですが、断られるばかりでした。

もしかしたら声をかけられることが嫌いなのでは…?と気付いて
また、皆様でテーブルを囲んでいると、突然目の前の方に怒り出すことがあったので、
一対一でご対応することになったのですが、隣りで一緒に過ごしている中であることに気付きました。
ご本人様は、行動を促すように声をかけられることや、
他人と顔を合わせることが特に嫌なのではないか、ということでした。
というのも、一対一で静かに過ごすようになってから、ご様子が穏やかになり、
「お昼ご飯の時間ですね」とお話しかけた時に、手を洗うために自ら席を立つ姿が見られたからでした。
すぐにスタッフ同士で話し合い、ご本人様へお話しかける言葉を減らしてみることにしました。
「お風呂が湧きましたよ」と短い言葉をかけるだけにすると、ご自分から浴室へと向かわれ、
ご昼食後に「○○さん」と声をかけて歯ブラシとコップを手渡しすると、
黙って頷いて、歯磨きをされるようになりました。

強要しないお誘いで信頼関係が深まった
さっぱりしてご帰宅されるようになり、奥様は大変喜んでくださいました。
特に、歯磨きは昔から嫌いで、ご自宅では奥様が何度言ってもしなかったそうで、
ご自分で歯磨きをしたことに驚かれていました。
ご本人様は、奥様が笑顔で帰宅を迎えてくれることが嬉しいようで、
以来、念入りに歯磨きをされ、今では時々スタッフが仕上げのお手伝いをすることもあります。
また、通っていただくにつれて、前の席にスタッフが座ることや、
複数のスタッフとテーブルを囲んでお食事をすることを快く受け入れてもらえるようになり、
スタッフとの信頼関係が深まってきていることを実感しております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内