2016年12月21日

言葉が通じなくても「歩きたい」という意思が伝わって

階段の昇降が難しくなり、デイサービスからやんわりと断られた
奥様とふたり暮らしの男性。
もの忘れから認知症と診断され、近隣のデイサービスへ通いはじめました。
休みの日などによくひとりで出かけていたのですが、
一時、体調を崩されたことをきっかけに出歩かなくなったそうです。
徐々に足腰が弱り、エレベーターのない集合住宅の4階にある自宅から
階段を使って外へ出ることが困難になりました。
利用していたデイサービスでは送迎のお手伝いがなく、
職員から「他のデイサービスのほうがよいのでは」とお話があったそうです。

入居している家族の世話も…在宅介護の限界を感じていた
さらに、おふたりには施設に入居しているお母様がいらして、
定期的に様子を見に行く必要がありました。
負担が大きくなった奥様は体調を崩され、
ご本人様のお世話を続けていくことに限界を感じていたそうです。
しかし、ケアマネジャーから認知症の方専門のふるさとを勧められ、
送迎のお手伝いも行っていることを知り、
「それなら…」とご利用を決めてくださったそうです。

「歩きたい」という意思が伝わり 歩けるようにサポートを
送迎時の階段の昇り降りは、ふたりのスタッフが両脇を抱えるように介助させていただきました。
この時は、言葉によるコミュニケーションが難しい状態で、
何もおっしゃらなかったのですが、スタッフが進むと懸命に足を動かす様子から、
「歩きたい」という強い意志が感じられました。
そこで、できるだけご自身の力で歩いていただけるよう、
支えるように手伝わせていただくことにしました。
また、言葉にはならなくても声を出してお返事をくださるので、
短い言葉で分かりやすくお話しかけるようにしました。
レクリエーションは、ご本人様も参加できるものを優先的にご提供し、
周りの方々と一緒に楽しみながら身体を動かしていただきました。

歩行状態の改善が見られ さらに嬉しいことが…
通っていただくうちに、歩行の状態がよくなっていくのがわかりました。
足元に力が入るようになり、歩く姿勢も次第に安定してきました。
開始から3ヶ月が過ぎる頃になると、軽く支えるだけで階段の昇り降りができるように。
それに伴い、お話しになる言葉が増えていきました。
さらに、ご自宅でも少しずつお話しされるようになり、
奥様と会話が成り立つことが増えたそうです。
また、以前のようにデイサービスへ通うようになったことで余裕ができたと、
奥様より嬉しいお言葉をいただきました。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内