2016年12月14日

「帰りたい」の言葉の本心は、「かかわりたい」だった

怪我をして帰ってくることが頻繁になり病院へ
ご主人と二人暮らしの女性。
以前は毎日のようにひとりで買い物へ出かけていたのですが、
いつの頃からか擦り傷などをつくり、怪我をして帰ってくることが増えていたそうです。
病院で認知症と診断され、医師の勧めで近所のデイサービスへ通うことになりました。
しかし、施設では周りの方とコミュニケーションをとることができず、
常に「帰りたい」と口にしていたそうです。
ケアマネジャーは、認知症の方専門のデイサービスなら楽しめるのでは、と考え
ふるさとをご主人に紹介してくださいました。

ご利用前の訪問で、お悩みやお困りごとを伺って
ご利用にあたり、スタッフがご自宅を訪問させていただくと、
ご主人は、この頃はご本人様と売り言葉に買い言葉の口ケンカを
繰り返すようになっていたことを話してくださいました。
ほとんどは不注意や間違いをご主人が指摘することが発端とのことですが、
ご本人様も不機嫌であることが増えていたそうです。
ご本人様にお話を伺うと、以前は、他人の面倒を見たり、周りの役に立つことを
率先的にされてきて、今でも同じようにしたいと思っているとのこと。
しかし、思うようにコミュニケーションがとれなかったり、
もの忘れから、うまくいかないことが増え、苛立ちを感じている様子でした。

一対一でも様々なスタッフとかかわりを
はじめのうちは、一対一でご対応させていただくことになりました。
お食事前にはテーブルを拭いたり、タオルを畳んだり、といった
皆のためになるようなお手伝いをスタッフと一緒にしていただきました。
「○○様、一緒にお願いできますか?」とスタッフが伺うと、
ご本人様は「いいわよ」と快く受けてくださり、
終わった後に「ありがとうございます。たいへん助かりました」とスタッフからお礼を言うと、
「いいのよ」と嬉しそうに笑顔で言ってくださいました。
時々、「ちょっと帰りたいわ」と席を離れることがありましたが、
「わかりました。時間がきたら車でお送りしますので、お待ちいただけますか」とお伝えし、
時間までは、好きなことについて話したり、明るい気分になっていただけるよう努めました。
また、様々な場面で周りにいるスタッフから声をかけ、
一緒に過ごし、皆のためになっていると感じていただけるように話しかけました。

楽しく通って、自宅でも穏やかに
ふるさとに通っていただくようになってから、
以前に比べて穏やかになり、喧嘩になることが減ったとご主人から伺いました。
ご本人様からふるさとの話題が出ることもあるそうで、
「楽しく過ごしていることが私にも伝わります」と言ってくださいました。
さらに、「最初の頃は少し不安があったのですが、今では安心しています」と
嬉しいお言葉もいただいております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内