2015年09月30日

文句や拒否 「本当は交流がお好きなのでは…?」

物忘れの進行に伴い元気がなくなっていった
ご長男ご家族とお住まいの女性。
物忘れなどの症状が進行にするにつれて、
お話しするときの口調や内容がきつくなってきたそうです。
また、ご自分から動こうとされることがなくなり、
どんどんお元気がなくなっていたそう。
心配になりデイサービスの利用を考えたご家族様は、
認知症専門の施設ということで、ふるさとに興味を持ってくださり、
ご本人様とご見学にいらしてくださることになりました。

ご見学後ご利用開始 しかしご不安なのか落ち着かない様子
施設ではちょうど皆様でレクリエーションを行っている最中でした。
ご本人様に気付かれた他のお客様が、
「あなたも一緒にどうかしら?」と、お話しかけてくださると、
ご本人様は戸惑っていらっしゃる様子もありましたが、少し嬉しそうに見えました。
ご家族様は、その様子に安心されたそうです。
それからすぐにご利用いただくこととなりました。
初日、送迎車の中では楽しそうにしてくださっていたのですが、
施設に到着されるとご不安になったようです。
落ち着かない様子で何度もご家族様のことをお尋ねになりました。
ご見学の際はご家族様と一緒でしたので、
この日も一緒にいらしているとお考えになっていたのかも知れません。
スタッフは、ご家族様のそれぞれのご状況を丁寧にお伝えしましたが、
それでもご不安な気持ちはなくならないようでした。

レクリエーションにご参加されないのは何故?
レクリエーションの時間になりましたが、「私はやらないよ」と、参加されませんでした。
その日だけでなく、それ以降もレクリエーションにご参加されない日が続きました。
ふるさとではお客様に無理にご参加いただくようなことはしておりません。
しかしスタッフは、本当は皆様との交流がお好きなのではないか、と感じていました。
というのも、強い口調でスタッフに文句をおっしゃることがあったのですが、
厳しいご表情でおっしゃることはなく、話し相手を求めていらっしゃるようでもあったからでした。
そこで思い当たったのは、レクリエーションを行う際に、
ご本人様へのご説明が足りていなかったのではないか、ということでした。
やり方やルールがわからないので、参加したくても「できない」と思っていらっしゃるのではないか、
「わからない」ことがご不安になっているのではないか、と考えました。
以来スタッフは必ず隣に座り、ルールについてその都度きちんと丁寧にお伝えするようにしました。

「今日は行かないの?」 ご利用日ではない日は残念に思うほど
少しずつレクリエーションに参加されることが多くなり、
ご利用開始から半年が経つと、皆様と一緒に楽しまれるようになりました。
ご帰宅後ご本人様は、ふるさとでの出来事を楽しそうにご家族様にお話ししてくださるそうです。
現在は週3回のご利用となり、ご利用日ではない日も「今日は行かないの?」と残念がるほど、
ふるさとの日を心待ちにしてくださっていると伺いました。
「生活が活性化しました!」と、とても嬉しそうにおっしゃったご家族様の笑顔が印象的でした。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内