2015年07月01日

いつもの手順でゆっくりと朝のお支度を

支度に時間がかかるから…デイサービスは利用できない?
お一人暮らしの女性。
市内にお住まいのご長女が、訪問介護サービスを利用しながら介護を行っていました。
しかし、やむを得ないご事情により、
ご長女はご本人様のケアを十分に行えない状況になってしまい、
デイサービスの利用をお考えになったそうです。
ご本人様は生活全般に対してこだわりをお持ちで、
毎日同じ順番でゆっくりと時間をかけて朝のお支度をなさっていました。
ご長女は、朝のお迎え時間までにご本人様の準備が間に合わないだろうから、
デイサービスの利用はできないものと思い、半ば諦めていたそうです。

個別の送迎が可能なふるさとへ
しかし、徐々に訪問介護のスタッフの方への拒否が強くなったそうで、
他者との交流が少なくなり、症状が進行してしまったそうです。
ケアマネジャーは、デイサービスの利用を検討し、
個別の送迎やご自宅でのお手伝いが可能な施設として候補に挙がったふるさとをご紹介くださいました。
ご利用いただくこととなり、スタッフはご家族様と話し合いを行い、
しばらくの間は、ご本人様のお支度をご長女にも手伝っていただくこととなりました。
初回、ご長女とスタッフでご本人様のお支度を傍で見守らせていただき、
普段なされている手順で、ゆっくりと時間をかけてご準備をしていただきました。
はじめのうちご本人様は、怪訝そうにスタッフをご覧になっていましたが、
ご長女と笑顔で話したり、時々手伝ったりするスタッフを良く思ってくださったようです。
3時間ほど時間をかけてお支度をなさると、
スタッフと一緒に送迎車に乗り、施設に来てくださいました。

否定的な発言 お気持ちに共感するようにご対応
毎回同じように朝のお支度を見守らせていただき、所々でスタッフから手伝わせていただきました。
度々ご本人様は、「今日は足が痛い」、「体調が悪いわ…」とおっしゃるなど、
施設に行くことに否定的なご気分の時もありました。
スタッフは、「ご無理をなさらずにお休みされますか」や、「痛いのはお辛いですよね」などとお話しし、
ご本人様のお気持ちに共感するようご対応いたしました。
次第に、ご本人様は好意的な目でスタッフを見てくださるようになり、
施設でお過ごしいただく時間も楽しまれるようになりました。

今ではご本人様にとって一番のお気に入りの場所に
実はご本人様は、デイサービスを利用することに戸惑いがあったようです。
デイサービスは「お年寄りが行くところ」という認識で、良い印象を持っていらっしゃいませんでした。
「年寄ばかりだから…」というご本人様の言葉を聞き、
主にスタッフと一緒にお過ごしになられるよう配慮をしておりました。
ご利用いただくうちにスタッフとの会話が弾むようになり、
「ここは楽しいわ! 良いところね」とおっしゃってくださるようになりました。
ご家族様は、デイサービスを利用できたことをとても喜んでくださり、
「心配事が減り、気持ちが楽になりました」とおっしゃってくださいました。
ご利用開始から1年が経った現在は、
ふるさとは、ご本人様にとって一番のお気に入りの場所となっているようで、
お帰りの際などに「泊まっていこうかしら」とおっしゃってくださいます。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内