2015年06月24日

必要以上にお話しかけない見守りのご対応

食材を生のまま食べてしまうことが心配で目が離せなかった
奥様と二人暮らしの男性。
もの忘れが進行し、冷蔵庫にある食材を生のまま召し上がることがあったそうです。
奥様は心配で、ご本人様から目を離すことができなくなってしまいました。
ケアマネジャーに相談したところ、デイサービスの利用を勧められ、通うことになりましたが、
一度行かれた後はご気分が向かなくなり、再度行かれることはなかったそうです。
施設を変えても同様で、ケアマネジャーは、「認知症の方にご対応ができる施設を」と考え、
ふるさとを紹介してくださいました。

初回 扉を叩き「開けろ!」と大声を出されていた
初回、施設に入られたご本人様は、玄関から動こうとされませんでした。
扉を叩き、「開けろ!」と、大きな声を出されていました。
スタッフは丁寧にお声をかけましたが、払いのけるようにされ、
座っていただくことができませんでした。
何度かスタッフからお声をかけさせていただきましたが、
怒鳴るようなお声で「構うんじゃない!!」と、おっしゃり、
しばらくの間スタッフはお話しかけずに傍で見守らせていただきました。
その日は、お食事もお召し上がらず、玄関の近くでお過ごしいただいたまま、
お帰りの時間となってしまいました。

必要以上お声をかけず 見守らせていただいた
次回も、その次の回も来ていただくことができました。
ご本人様は、必要以上にお話しかけないスタッフをよく思ってくださったようでした。
しかし、初回と同じように玄関のお近くから動こうとされず、
時々大きな声を出し、扉や壁を叩こうとされていました。
スタッフは、すぐ近くにおりましたが、あまりお話しかけずに見守らせていただきました。
4回ほどご利用いただくと、少し施設に慣れてくださったようです。
お席をそっとご案内すると座ってくださるようになりました。
度々玄関の方へお立ちになりましたが、
再度、お席をご案内すると、大きな声を出されることなく戻られました。
2、3ヶ月の間は、玄関とお席を往復される姿が日に何度も見られていましたが、
次第に、皆様と一緒に座ってくださる時間が長くなっていきました。
お食事は、「食べたくない」とおっしゃり、召し上がっていただけない日もありました。
ご自宅でもご昼食を召し上がらないことがあるとのことで、
ご本人様のご体調に合わせ、施設でも無理にお食事を勧めることはしませんでした。

時折笑顔を見せ 穏やかにお過ごしいただけるように
ご利用開始から4ヶ月が過ぎると、
周りのお客様とお話しされるようになり、穏やかにお過ごしいただけるようになりました。
はじめのうちはレクリエーションにお誘いしても、「やらない」とおっしゃっていましたが、
周りの皆様が楽しそうに行っていると、ご本人様も参加してくださいました。
テーブルを囲み皆様でカードゲームを行う際に、
遠くの席にいる方のためにカードを取ってくださるなど、優しい一面を見せてくださるように。
ケアマネジャーの提案で、現在は週に3回ご利用いただいております。
お食事を召し上がっていただける日も少しずつ増え、
今では、ほとんど毎回召し上がってくださるようになっております。
奥様は、「こんなふうに通えるようになるとは、思いませんでした」とおっしゃっていました。
ご利用日、奥様は、ご自身の時間を過ごせるようになったそうで、
大変喜んでいらっしゃいます。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内