2015年07月08日

自信に繋がる「わかる」「できる」の積み重ね

周りの方との折り合いが悪くなり通所が難しくなった
ご長男と二人暮らしの女性。
社交的な方でいらっしゃり、以前からリハビリのために通われていたデイケアでのお喋りを楽しまれていたそうです。
しかし、「○○がなくなった! 誰かに盗まれたんだ!」とおっしゃるようになり、
施設職員や他のご利用者様との折り合いが悪くなってしまったそうです。
ご症状の進行が見られ、ケアマネジャーはデイサービスの利用を勧めましたが、
ご本人様自身は日常生活でお困りに思うことがあまりないようで、
「介護」や「デイサービス」という言葉にご抵抗が強いようでした。
次第に、訪問介護やデイサービスを勧めるケアマネジャーを煙たがるようになりました。

スタッフを「先生」と呼んで穏やかにお過ごしくださいましたが…
ケアマネジャーからふるさとへご連絡があり、
どのようなご提案も拒否されるので、認知症専門のふるさとに協力してもらいたい、とのことでした。
そこで、ご本人様に一度施設にお越しいただくことになりました。
ご本人様は、その時ご覧になったふるさとの雰囲気や、スタッフの柔らかな接し方などを、
気に入ってくださったようで、それからご利用いただくこととなりました。
ご見学の日にお話ししたスタッフを「先生」と呼んで、
ご利用日初日もたくさんのお話をしながら穏やかにお過ごしくださいました。
しかし、少しお手伝いをさせていただこうとスタッフがお声をかけると、
「いいから!」と怒り出され、たちまちご機嫌が悪くなり…
その後、あまり笑顔が見られないまま、お帰りの時間となってしまいました。

プライドと不安 自信を取り戻していただくために
その日、施設ではご本人様へのご対応について話し合いを行いました。
「先生」と呼ばれたスタッフは、ご本人様のご様子から「もの忘れにご自覚があるのかも知れない」と感じていました。
「もの忘れが進行してしまったら…」というご不安と、
「介護されたくない」というお気持ちをご本人様は抱えていらっしゃるのでは、と皆に話しました。
そこで、お手洗いなどのお声かけは最小限にし、見守らせていただくことを徹底することに。
また、クイズや脳トレのゲームなどがお好きなようですので、週1回のご利用日は積極的に取り入れ、
答えられる機会を多く持っていただけるよう毎回同じような問題から出題させていただきました。
小さなことでも「わかった」、「できた」という出来事の積み重ねが、
その方の自信に繋がっていくことを、スタッフは今までの経験から知っていたからでした。

「ふるさとが大好き!」とおっしゃってくださった
徐々に自信を取り戻され、明るいご表情でお過ごしくださるようになりました。
ご利用開始から半年ほど過ぎるとクイズは大得意になり、
いつも、「はい!」と手を挙げて、大きな声で答えてくださるように。
ご本人様にとってふるさとは、『○○(スタッフの名前)学校』だそうで、
「わたし、ここが大好きなのよ!」とおっしゃってくださっています。
時々、ご不安になることがあるようですが、
そのお気持ちをスタッフや他のお客様にお話しし、解消していらっしゃるようです。
「ここなら安心だから」とおっしゃり、
またスタッフには、「これからもよろしくね」とおっしゃってくださっております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内