2014年10月22日

交流を求めて見知らぬ方をおもてなし

見ず知らずの方をご自宅に招いたり、よその物を持ち帰ったり
一人暮らしの女性。
姪御さんが目と鼻の先にお住まいで、いつも様子を見に来られていました。
時々、ご近所を通りかかった見ず知らずの方に話しかけご自宅に招いたり、
お惣菜や自宅の物を差し上げたりしていらっしゃり、姪御さんはとても心配されていたそうです。
さらに、どこからか植木鉢や花壇の花などをご自宅に持ち帰られるようになり、
不安を感じた姪御さんが、地域包括支援センター(※)に相談をしました。

地域包括職員との打ち合わせ ふるさとスタッフも伺った
地域包括の職員とケアマネジャー、姪御さんとご本人様で今後のケアについて話し合いが行われ、
「認知症専門施設を利用してはどうか」という話になったそうです。
以前より認知症の方へのケアにおいてふるさとに信頼を寄せてくださっていたケアマネジャーから、
その場で施設にご連絡をいただきました。
ご本人様の様子を伺ったスタッフは、できるだけ早いうちにお会いして関係を築いた方が良いと思い、
すぐにご自宅に伺いました。

初対面のスタッフを見て「あら、お久しぶりね!」
スタッフをご覧になったご本人様が「あら、お兄さん! お久しぶりね」と、お声をかけてくださいました。
包括の職員もケアマネジャーも姪御さんも、その様子に大変驚かれていましたが、
スタッフは丁寧にご挨拶をし落ち着いてお声をかけさせていただきました。
後で、知り合いだったのかと、姪御さんやケアマネジャーに尋ねられましたが、スタッフは初対面でした。
知り合いと知り合いでない方の区別が難しくなってきておられることを察して、
ご対応させていただいたことをご説明しました。
その様子から姪御さんはスタッフを信用してくださり、すぐにご利用いただくことになりました。

スタッフをおもてなし 皆を楽しませてくださるように
ご本人様は初回からすんなりと来ていただくことができ、
気取らない笑顔で皆様とお話しされ、施設でお過ごしいただく時間を心から楽しんでくださっている様子でした。
週に3回、ふるさとにいらしてくださるようになりました。
それからは、見知らぬ方をご自宅に招いたり、よその物をご自宅に持ち帰ったりすることはなくなったそうです。
一方、「誰かをもてなしたい」というご本人様のお気持ちはお会いした当初から変わっていらっしゃらないようで、
いつも気さくにご自宅を案内し思い出の品を見せてくださったり、ユニークなお話を聞かせてくださったり、
スタッフを楽しませてくださっています。

(※)地域包括支援センター…地域住民への総合的な生活支援の窓口となる機関。各市区町村に設置されている。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内