2013年08月21日

「自分は嫌われている」という思い込み、ふるさとで克服

外出や他の人との交流を拒否していた
一人暮らしの男性。
元々は奥様とお住まいでしたが、1年前に奥様が特別養護老人ホームへ入所してから、
お一人で生活していらっしゃいました。
それからは月に一回、長女がご本人の自宅に通い、介護をしていたそうです。
ご本人は以前、骨折したことがきっかけとなり、家に引き籠るようになりました。
長女がご本人の健康や気分転換のために買い物や散歩に誘っても、
「外には悪い人がたくさんいる」と言って、外に出ることを嫌がっていたそうです。

社会性を持っていただけるようにふるさとへ
長女は家事やお仕事で忙しく、充分にご本人の介護が出来ないので、
在宅介護ではなく、グループホームへの入所を考えていらっしゃいました。
そのことをケアマネジャーに相談したところ、他の人との交流を嫌悪しているため、
すぐにグループホームへの入所は難しいとケアマネジャーは判断しました。
そこで、少しずつ社会性を取り戻していただくために、
ふるさとを利用していただくことになりました。

「自分は嫌われている」と思い込んでいた
はじめはお迎えに伺ってもお誘いに応じていただけませんでしたが、
頻繁に訪問し、お声かけをさせていただきました。
すると、3ヶ月ほど経った頃、お迎えの車に乗って施設にお越しくださいました。
ところが、席におかけになると、他のお客様と目線を合わせることなく、
不安そうにじっとうつむいていました。
スタッフは安心していただけるように横についていました。
すると、小さなお声で「私は世の中の人から嫌われている」と、おっしゃいました。
ご本人はご自身が嫌われていると思い込んでいたために、
他の人と関わることを拒否していらっしゃったのです。

ふるさとで人と触れ合う喜びを思い出してくださった
ご本人のご様子から、人と関わることを拒否していただのではなく、
ただ怖がっていらっしゃったのだということをスタッフは確信しました。
それからは、他のお客様と一緒にお食事をしていただいたり、レクリエーションに参加いただき、
不安を感じていらっしゃるときは、スタッフがご本人の横についてお声かけしました。
少しずつスタッフや他のお客様にと笑顔でお話することが多くなっていき、
そのご様子を撮った写真をご家族にご覧いただくと、安心してくださり、感謝のお言葉をいただきました。
それから約1年後、目標としていらっしゃったグループホームへのご入所が決まりました。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内