2013年08月14日

すべての介護を強く拒否、先生と慕ってくださるまで

杖を振り回して介護を拒否、ご家族は近づけなかった
ご主人とご長男一家で六人暮らしの女性。
介護をするために、ご主人がご本人に近づくと、杖を振り回して暴れ、拒否をしていたそうです。
そのため、ご家族のどなたも近づけない状況で、お風呂やトイレの介護も出来ず、
ケアマネジャーはご本人の衛生面を危惧していました。

反射的に介護を拒否してしまう
ケアマネジャーはデイサービスを利用する必要性を感じていましたが、受入先が見つからず困っていたそうです。
そんなとき、偶然にもふるさとの担当者がケアマネジャーを訪問させていただく機会があり、
サービス内容を紹介させていただくと、条件に合っていることから、すぐに利用を決めてくださいました。

早速ふるさとのスタッフがご自宅へお迎えに伺いましたが、
スタッフを杖で叩いたり噛み付く素振りを見せながら拒否をしていらっしゃいました。
ご本人は反射的に介護を嫌がっていらっしゃることを、スタッフは感じ取っていたので、
ふるさとにお越しいただけるように何度も訪問させていただきました。
すると、1ヶ月ほど経った頃、スタッフを叩きながらも車に乗ってくださいました。

スタッフを先生と呼び、慕ってくださった
施設に到着してからも、お声かけするスタッフに対して、杖で叩いて介護を受けることを拒否し続けました。
入浴時はスタッフの腕が傷ついてしまうほど引っ掻き、嫌がっていらっしゃるのですが、
お風呂から上がると、とても気持ち良さそうにしていらっしゃいました。
食事をお持ちした際も、スタッフの腕を叩くのですが、本当はとても喜んでくださっていることを、
スタッフは理解していたので、臆することなくお声かけやお手伝いを続けました。

そして、ご自宅で足を怪我をされたときも、ご本人に痛みが伴わないように細かく配慮しながら接すると、
ご自身の味方であることを確信してくださったのでしょうか、
スタッフを「先生」と呼び、優しく微笑みかけてくださるようになりました。

何度も何度も「ありがとう」
約1年ほどふるさとに通っていただいた後、介護老人保健施設への入所が決まりました。
入所が決まったことは、ご家族もご本人にはお伝えになっていません。
ところが、スタッフと会えなくなることを感じていたのでしょうか、
ふるさとにいらっしゃる最後の1ヶ月間は、「先生、ありがとう。ありがとうね。」と、
何度も何度もスタッフに感謝をしてくださいました。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内