2012年11月21日

「行きたくない」理由は奥様への罪悪感から

どうしたら、デイケアやデイサービスに通ってくれるのかしら・・・
元々はデイケアに通っていらした男性のお客様。
数回通われているうちに、「もう行きたくない」と泣き叫ぶようになり、
ご家族様は自分がどうしたら良いのか分からず悩んでおられました。

ご家族様と介護スタッフの連携
ケアマネジャーに相談をされたところ、今まで施設に通われることを拒否されていた方が
ふるさとにはいらしてくださるということが何回かあったので、
今回もふるさとを利用していただくことになりました。

事前にご家族様とご相談をさせていただき、ふるさとに親しみを持っていただける方法をいくつか考えました。
まずはスタッフの顔を覚えていただけるよう決まった時間に週に2回ご自宅へ伺いました。
次にご家族様にご協力いただき、お出かけのときはふるさとの周辺を通り道にし、
施設を覚えていただきました。
また、偶然を装い、スタッフが送迎で施設を出る時間に、ご家族様と施設の近くを通っていただき、
送迎車からスタッフがご本人やご家族様にお声かけし、送迎車を覚えていただきました。
こういったことを繰り返し行い、
ふるさとを少しずつ身近な存在として認識していただけるようになりました。

小規模だから出来るそれぞれのお客様に合わせたレクリエーション
少しずつスタッフの顔を覚えてくださると、ある日お誘いを受け入れていただき、
施設見学にいらしていただけることになりました。
釣りがご趣味と事前にお伺いしておりましたので、
この日は釣りゲームのレクリエーションを取り入れることにいたしました。
すると大変興味を持ってご覧いただいたようで、「次回は私も参加したい」と、おっしゃってくださいました。
それからは、拒否をなさることもなくなり、楽しみにいらっしゃるようになりました。

ふるさとでは、その日にいらっしゃるお客様それぞれの
ご趣味や状態に合わせたレクリエーションを取り入れています。
退屈なさらないための工夫や、
そのときのお客様のご気分やご体調に合わせた最も良い環境づくりを心がけております。

ご自身の病気をご認識し、奥様への罪悪感から拒否をされていた
ふるさとのスタッフにすっかり打ち解けてくださり、
あるとき、今まで施設に行くことを拒まれていた理由をお話くださいました。
ご本人はご自身が認知症であることを把握されていたようで、
施設に行くことは奥様に負担をかけてしまうことではないかと、申し訳ないという気持ちでいっぱいだったそうです。
現在は、ふるさとでの出来事を奥様に報告することを毎回楽しみにしていることもお話してくださいました。
そして、このことを奥様にお伝えさせていただきました。
「今まで理由が分からなかったので、自分が悪かったのではないかと悩んでいました。
でも理由を知ることが出来て安心しました。教えてくださって、ありがとうございました。」
と、おっしゃってくださいました。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内