2016年02月10日

どんなお誘いも「イヤ!」 成功のきっかけはある会話

デイサービスで入浴拒否 何日も同じ下着でお過ごしになっていた
ご主人と二人暮らしの女性。
以前よりデイサービスをご利用になっていたのですが、
症状の進行と共にご入浴を拒否されるようになっていたそうです。
ご自宅でお召し物を着替えることもなく、何日も同じ下着でお過ごしになり、
ご主人は衛生面をとても心配していました。
なんとかご入浴を、とケアマネジャーはご主人に、認知症の方専門であるふるさとのご利用を提案。
これまでのデイサービスと併せて、ふるさとを週1回ご利用いただくこととなりました。

浴室へ来てくださるが、ご入浴していただけない
ご本人様はふるさとに来てくださると、体操やレクリエーションにご参加になり、
スタッフともお話が弾み、楽しんでくださいました。
しかし、お声をかけて浴室までご案内すると、それまで笑顔でいらっしゃった様子とは一変。
険しいご表情で、「イヤ! やめてちょうだい!」と否定的に…。
丁寧にお話をしたのですが、聞き入れていただけませんでした。
次のご利用日からは、『入浴』や『お風呂』という言葉を使わずにお誘いをしたり、
踊りがお好きであることから、一緒に踊りながらご案内をしたり、
「盆踊りしますので、浴衣に着替えませんか?」とお声をかけたり、
様々な方法を試みましたが、浴室へ来ていただくことができても、
ご入浴していただけない日がしばらく続きました。

「ご主人とのお出かけが楽しみですね」ある日の会話がきっかけ
ある日、ご主人とのお出かけについて話している時でした。
「一緒にお出かけされると聞きました。楽しみですね」とスタッフがお話しすると、
嬉しそうなご表情でお返事をしてくださいました。
普段からご主人についてのお話になると、ニコニコと笑ってくださるのですが、
この日はお出かけということもあり、お気持ちは特別だったようです。
笑顔でお話をしながらお召し物を脱がれると、浴室へ行かれご入浴に。
ゆっくりと湯船につかっていただくことができました。
その後、「どうもありがとうね。気持ち良かったわ!」と、スタッフに声をかけてくださり、
「あなたたち、みんな優しいわ」と、とても嬉しいお言葉をくださいました。
以来、ご主人に関するお話をしながらお誘いし、ご入浴いただくように。
すると、毎回入ってくださるようになりました。

ご入浴後は必ず「どうもありがとう」スタッフ一人ひとりへ
実は、下着で隠れた臀部が不衛生なことで赤くかぶれてしまっていたのですが、
ふるさとでご入浴いただくようになると、日に日に治まっていきました。
ご主人へご連絡をすると、「良かった、良かった~。安心した」とおっしゃってくださいました。
その後ケアマネジャーの判断でご利用はふるさとだけになり、週2回ご利用いただくことに。
ご本人様は毎回ご入浴され、その後必ずと言っていいほど、
「どうもありがとう」と、スタッフ一人ひとりへ声をかけてくださいます。
たまにご気分が向かない時もありますが、
スタッフが雰囲気を盛り上げ、楽しいご入浴になるよう努めております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内