2015年01月21日

ご本人の気持ちを引き出したスタッフとの出会い

退院後 歩こうとされなくなったご本人様
奥様と二人暮らしの男性。
認知症を発症され、ご親族が住んでいらっしゃる神奈川県へ越して来られたそうです。
ケアマネジャーからの紹介があり、ふるさとをご利用いただくことになりました。
週に3回のご利用が決まりましたが、ほどなくして入院されました。
それまでは、手すりなどに掴まりながら歩くことができ、車椅子のご使用は時々でしたが、
退院後は、車椅子を常に使用するようになり、歩こうとすることも、自らお立ちになることもなくなりました。

様々なスタッフがお話しかけましたが…
大柄な方なので、施設でのご入浴は3人のスタッフが付き添いました。
様々なスタッフからお話しかけることも多くありましたが、
普段から無口でいらっしゃり、お返事をくださることはあまりなく…。
他のお客様と交流されることもなく、ほとんどの時間を目を閉じて過ごされました。
退院後は行動が荒くなり、スタッフに手を上げようとしたり、唾を吐こうとしたりすることも。
ご自宅でも、奥様に対して攻撃的な態度をとるようになられ、
「本当は優しい人なのに…。本来の優しい本人に戻ってもらいたい」と、おっしゃられていました。

あるスタッフのお声かけにはお返事してくださった
ある男性スタッフがお話しかけた時のこと、
ご本人の耳元でゆっくりと、しっかりと、これから行うことをご説明すると、
いつもお返事をされないご本人様が、深く頷いてくださいました。
そのスタッフの声のトーンや口調、また、しっかりとご説明させていただいたことを、快く思ってくださったのでしょうか。
その後も、そのスタッフからお話しかけると頷いたり、笑ったりされるようになりました。
さらに、「歩きましょう」と、お声をかけると、今まで歩くことに全く関心を示さなかったご本人様が、
少しずつ歩こうとされるようになり、スタッフの介助で歩行ができるように。
その距離も徐々に長くなっていきました。

「歩こうとするようになった。本当に嬉しい」奥様からの声
今では、駐車場からご自宅の玄関までの長い距離を、スタッフと一緒に歩けるようになりました。
「『ふるさとに行くようになり、歩こうとするようになった』と、奥様が大変喜んでいます」と、
ケアマネジャーから嬉しいご報告をいただきました。
奥様は、「スタッフの方と気が合うようで、一緒にいると頷いたり、笑ったり、歩こうと努力したり…。
見ていて、本当に嬉しいです」とおっしゃってくださっています。
ご利用開始から2年が過ぎ、現在は、以前のような攻撃的な行動も見られなくなり、
スタッフと笑顔でコミュニケーションを取りながら、お過ごしいただいております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内