2015年01月28日

怒鳴り声を上げていたご本人へ 感情の同意と共感

近所での工事が原因? 怒鳴ることが続いていた
奥様と二人暮らしの男性。
週に3回、他のデイサービスをご利用になられていましたが、
大きな声で怒り出すことが続き、予定時間よりも早くご帰宅されるようになっていたそうです。
お昼前にご帰宅されることもあり、奥様はお仕事に行くことができずお困りでした。
ご本人様が大きな声を出すようになったきっかけの一つとして、ご近所の工事の騒音がありました。
ご自宅では、昼夜問わず怒鳴り声を上げておられ、奥様は疲れてしまっていたそうです。
ご本人様は時々、奥様には見えない何かを見てお話しされることもあったそうで、
「誰かが来るから」と言って玄関に座っていらっしゃることもありました。
状況を知ったケアマネジャーの提案で、認知症の方専門のふるさとにいらっしゃることに。

心がけたのは「同意を示すこと」と「共感すること」
スタッフは、ケアマネジャーから事前に、ご本人様について伺っておりました。
責任感が強く、筋が通らないことはお嫌いで、感情表現が豊かな方であると分かり、
「同意を示すこと」と「お気持ちに共感すること」を徹底するよう、スタッフに周知していました。
初めて施設にいらしてくださった日、緊張されている様子がありました。
皆様でゲームを行っている時、笑っていらっしゃる方に対して、
「不真面目にするな!」と大きな声を出されました。
スタッフはすぐに傍に寄り、「○○様、ありがとうございます。
私たちが行っていることを大切に考えてくださって、とても嬉しいです。
おっしゃる通り、すべてにおいて真面目に取り組まないといけませんよね」と、お話しいたしました。
すると、ご表情が和らぎ、「そうなんだよ」とお返事をしてくださいました。

「怒るのは必ず理由がある」スタッフ間の情報共有が鍵
どんな方でも怒ったり怒鳴ったりすることには、必ず理由があります。
しかし、思うように表現できない方もいらっしゃいます。
スタッフにできることは、そのお気持ちを汲み取り、共感することだと考えました。
また、速やかにスタッフ間で情報交換を行い、周知することによって、
スタッフそれぞれが、お気持ちに寄り添ったご対応をさせていただくことができました。
お食事の時間になられると、「おいしいですね」とおっしゃりながら召し上がってくださり、
その後は、怒鳴ったり大きな声を上げたりすることなく、お過ごしいただきました。

「スタッフを見ると穏やかになる」安心してご利用に
それから、週に4回ご利用いただいております。
とても感情豊かで、社交的でいらっしゃるご本人様は、
他のお客様とお話しされたり、周りの方を気遣い、お話を合わせてくださる心優しいお姿も見られます。
ご利用日の朝は、笑顔でスタッフを迎え入れてくださいます。
スタッフを見ると穏やかなご表情になるそうで、奥様は安心してお仕事に行けるようになったそうです。
また、「主人に適切な接し方をしてくれるので、私の不安までなくなりました」と、奥様はおっしゃってくださいました。
ケアマネジャーは「デイサービスの利用は難しいのでは、と悩んだこともありましたが、
対応次第でこんな変わるとは…。問題なく通っていらっしゃるのが、奇跡のようです」と言ってくださいました。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内