2024年02月07日

ご本人にとって安心できる場所になれるように

入浴ができなくなった

一人暮らしの80代女性。
認知症の症状の進行に伴い、1人では入浴をしなくなったそうです。
そのため、近くにお住まいの娘さんが、
1ヶ月に2回ほど一緒に銭湯に行っていましたが
ご本人が脱衣所で「助けて!」と大声で叫んだり、
帰ろうとして暴れたりするようになり、銭湯に行くことが困難に。
もう娘さん1人の力では入浴は無理かもしれないと感じ、
ケアマネジャーに相談したところ
認知症専門のふるさとにお声がかかりました。

「怖い場所ではない」と思ってもらえるようなお声かけ

朝、スタッフがお迎えに伺うと、「私を殺そうとしてる!助けて!」と
大声を出されてしまいましたが、娘さんと協力して
なんとか送迎車に乗っていただき、施設にお連れすることはできました。
しかし到着後は、知らない場所でとても不安を感じていらっしゃるご様子で
落ち着かず、ずっとキョロキョロと周囲を見回していらっしゃいました。
まずはご本人にとって、ふるさとが見知った場所になれるよう、
スタッフが気心の知れた人間になれるようにお声かけを重ねました。
そして「ここは怖いところではないな」と感じていただけるような対応に努め、
心穏やかに楽しく過ごしていただけるようにしました。
3ヶ月ほど経つと施設の雰囲気に慣れ、ふるさとの黄緑色も覚えてくださり
朝のお迎えの際に大声を出されることが少なくなりました。

ふるさとの浴室に慣れていただく

フロアで過ごすことには慣れてくださったので、次は入浴です。
ふるさとの浴室はご本人にとっては見知らぬ場所。
実際に入浴を始める前に、脱衣所で体重を測ったり、足浴を行ったりし、
スタッフと談笑しながら浴室で楽しく過ごしていただく期間を設け、
ふるさとの浴室がご本人にとっての見知った場所になるような対応を行いました。
1ヶ月ほど足浴などの対応を続けた後、ご本人が穏やかな表情の日に
「ちょうどお風呂が温まってるのでいかがですか?」とお誘いしたところ
スムーズに入浴していただくことができました。

入浴はご機嫌の良い日にお誘い

それからは、ご機嫌の悪い日でなければ入浴してくださるようになりましたので
ご様子を見て、笑顔が多く見られるタイミングでお誘いするようにしています。
ご本人は、基本的には1人で過ごすことを好まれますが、
運動系のレクリエーションは大好きで、風船バレーや体操などには
積極的に参加してくださいます。
「本当にお風呂に入れるようになるとは思わなかった!」と、
娘さんは大変喜んでくださっています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内