2015年04月22日

男性が苦手? ご本人の言動に現れた感情

症状が進んでしまい認知症専門のふるさとへ
奥様とお二人暮らしの男性。
他のデイサービスをご利用されていたそうですが、
認知症の症状が進んでしまい、ご対応が難しくなっていたそうです。
ケアマネジャーの提案で、ふるさとをご利用いただくこととなりました。

物静かなご本人が突然大きな声を
ご本人様は、普段から物静かな方で、口数も多くはないと伺っておりました。
ふるさとにいらっしゃった時も、お顔はうつむいたままで目を伏せたようにして、お過ごしになられていました。
3回目のご利用日のこと、いつものように皆様と一緒にお過ごしいただいていると、
ふと席をお立ちになり、玄関の方へ行かれました。
「どうかなさいましたか」と、お声をかけると、話しかけた男性スタッフを振り払うように大きく身体を動かし、
大声を上げ、とても興奮していらっしゃるようでした。
そのご様子は、それまでお過ごしいただいていたご様子と、あまりにも違っていました。

男性スタッフが苦手? 以前のデイサービスでの出来事から
再度、別のスタッフから丁寧にお声をかけさせていただき、近くのお席をご案内すると、
ご本人様は落ち着かれ、スタッフと一緒に座ってくださいました。
はじめにお声をかけた男性のスタッフは、少し離れた所から見守らせていただきました。
女性スタッフからお話しかけさせていただくと、わずかにお顔を上げ、お返事をしてくださるようですが、
男性スタッフが傍に寄ると、少しお顔を背けていらっしゃるように見えました。
送迎時に、この日あったことを奥様へお伝えいたしました。
すると奥様は、以前のデイサービスでの様子を話してくださいました。
ご利用されるようになりしばらくしてから、男性を避けるような言動が見られていたそうですが、
当時は男女問わずスタッフを拒否されることが多かったようです。

ご本人様に快くお過ごしいただける空間を
以来、施設では、ご本人様が快くお過ごしいただけるよう努めました。
男性を拒否されるような素振りがあることから、
ご入浴やお手洗いなど、必ず女性スタッフからご案内させていただくように。
男性スタッフは、極力ご本人様の視界に入らないようにし、
また、他の男性のお客様とも対面しない場所にお席をご用意させていただくなど、
可能な限り男性が目に入ることがないようにいたしました。
ご利用を重ねるにつれ、少しずつ女性スタッフと打ち解けてくださったようです。
その後スタッフが伺った話では、長年、大企業でお勤めされていたご本人様は、
男性ばかりの社会にいらっしゃったそうで、様々な思い出があるとのことでした。

それから半年ほど経った現在も、女性スタッフからご対応させていただいておりますが、
ご本人様は、紳士のようにとても優しくスタッフに接してくださるようになり、
お話しすることや、ふるさとでお過ごしになることを楽しんでいただけるようになりました。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内