召し上がる量が減り 栄養剤で補食
ご長男と次男と三人でお住まいの女性。
お出かけになることや、他人と話すことを嫌がるようになったそうで、
うつ症状があったそうです。
また、お食事があまり進まなくなってきており、
召し上がる量が減り、栄養剤やゼリーなどでお食事を補っていたそうです。
ご家族様が心配し、ケアマネジャーに相談。
ケアマネジャーの提案で、週に1回ふるさとをご利用いただくこととなりました。
「放っておけばいいのよ」ご本人の一言から
ご利用日、スタッフはご家族様から「どうしても食事を食べない場合は、これを食べさせてください」と、
栄養剤をお預かりしておりました。
ご昼食の時間になり、施設でお作りした食事をご本人様にお出ししましたが、
「いらない」と一言おっしゃり、トレイごと押しのけられました。
スタッフは、それまでにお話しさせていただいた様子から、
行動を促すよう声をかけられるのはあまりお好きではないと感じていましたので、
お食事を勧めたりせずに、隣に座り一緒にお食事をとらせていただくことにいたしました。
そこでスタッフは、自分の家族の話をしました。
「子どもが小食で困っているんです」と、相談するようにお話しすると、
ご本人様は、「放っておけばいいのよ」とおっしゃいました。
もしかしたらご本人様もそっとしておいてほしいのかも知れない、と思ったスタッフは、
お茶を取りに行く振りをして、席を離れました。
席に戻ると、ご本人様のお皿には一口ほど召し上がった跡がありました。
スタッフはすぐに気が付いたのですが、そのことについて触れず、他の話題で会話を続けました。
ご本人様のお気持ちの負担になることも考えられたからでした。
スタッフとの会話でお食事の時間を楽しい雰囲気に
その次の回も、「いらない。食べない」とおっしゃり、お食事を突き放すようにされました。
同じようにスタッフが隣に座って食事をとらせていただき、
その場を楽しい雰囲気にするよう笑顔でお話をいたしました。
「どうぞ温かいうちに召し上がってくださいね」、「たんぱく質をしっかりと摂ることは大切なんですよ」などと、
スタッフはご本人様にお伝えしたいことを直接言うのではなく、
皆様にお声をかけるようにしてお話しいたしました。
スタッフが他の方とお話をしている間に、ご本人様は一口か二口ほど、口にされたようでした。
楽しく賑やかな雰囲気の中、ご自分のペースで召し上がっていただけるようにすると、
二口、三口と回を重ねる度に量が増えていきました。
しばらくすると、ほとんどを召し上がっていただけるようになりました。
お食事を楽しんでいただけるようになった
それからはご利用を週に4回に増やしていただくこととなり、
ほとんどお休みすることなく通っていただいております。
ふるさとでお食事を召し上がるようになりお元気になられ、
今では周りの方を気にかけ、世話をするようにお話しかけてくださいます。
「○○さん、美味しいわよ。食べてごらんなさい」と、お食事を勧めてくださることも。
またスタッフに、「この間食べたの、美味しかったわね!」とおっしゃるなど、
お食事を美味しく、楽しく召し上がっていただけるようになりました。
ご本人様はご利用日をいつも心待ちにしてくださっていると、ご家族様から伺っております。
認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内