2023年07月05日

戦争について教える…ふるさとへ行くことがやりがいに

一般デイの利用が困難に

奥様と2人暮らしの80代男性。
一般のデイサービスに通っていらっしゃいましたが、認知症の進行に伴い
靴をデイの室内履きに履き替えるのを忘れるようになったそうです。
デイのスタッフから「靴を履き替えてください」と
注意されたことで怒ってしまい、
次第に靴をスタッフに投げつけるように。
その後お連れ出しが困難になり、一般デイに通えなくなったため
ケアマネジャーより認知症対応型のふるさとにお声がかかりました。

好きな話題で距離を縮める

見学の際に娘さんから、ご本人が戦争について話すことや
軍歌がお好きなことを伺っていたので、
最初のお連れ出しの際は世間話から始めて戦争についてお尋ねしました。
30分ほどお喋りをしたり、「同期の桜」を一緒に歌ったりしていると、
少しずつスタッフに打ち解けてくださいました。
色々な軍歌を知っていらっしゃるようでしたので、まずは
「ふるさとで皆さんに軍歌を歌って教えてあげてください」とお願いしてみましたが、
恥ずかしいからと断られてしまいました。
そこで「うちのスタッフで戦争の話を是非聞きたいって言っている者がいるんですよ!
ふるさとに来てお話ししてくださいませんか?」とお誘いすると、
快く引き受けてくださり、来所いただくことができました。

通所できるようになり娘さんもびっくり!

最初のお連れ出しは、慎重に会話を進めたので
打ち解けるまでに30分かかりましたが、
2回目のお連れ出しでは20分に、3回目は7分、4回目は5分…と
順調にお迎えにかかる時間を短くすることができました。
今では「戦争の話をふるさとにしに行く」という目的意識を持って
通ってくださるように。
娘さんは「お父さんは気難しいから絶対に無理だと思っていたのに、
こんなにスムーズにいくなんて!」と驚かれています。

穏やかになり歌を口ずさむことも

娘さんからは「お父さんはプライドが高いから、皆でやる体操には参加しないと思う」
と伺っていましたが、2回目のご利用から
レクリエーションにも体操にも積極的に参加くださっています。
最近では家でも体操をして体を動かしたり、散歩中に歌を口ずさんだりと、
以前より穏やかにご機嫌良く過ごされているそうで
スタッフ一同嬉しく思っております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内