2021年11月04日

音楽の先生として通っていただく

奥様が亡くなってから引きこもりがちに

娘さんご夫婦と3人暮らしの70代男性。
奥様が亡くなられてから、ご自宅に引きこもるようになったそうです。
次第に不穏状態になることが多くなり、ご家族に暴言を言うことも。
困ってしまった娘さんはケアマネジャーに相談。
認知症対応型のふるさとではどうかとお声がかかりました。

音楽の先生として通所

ご本人はご自分のことを認知症だとは思っていないため、
デイサービスに通うのは難しいかもしれないと
娘様からお話がありましたので、
ご利用者としてではなく、仕事で来てもらうという設定でお誘いしました。
ご本人は学生時代からギターがお好きで、
会社に勤めていた時にも、イベントの余興で披露するほどの腕前。
そこで「音楽の先生としてギターを弾きに来てもらえませんか?」と
お願いをしたところ引き受けてくださり、ご利用が開始しました。

「先生」を立てる対応

先生として通っていただけるよう、対応には気を配りました。
朝のお迎えに伺う前には、
「今日もよろしくお願いします!
皆さん、先生がいらっしゃるのを待っていますからね」と
ご自宅に電話をします。
ふるさとに着いたら、スタッフ全員で
「○○先生!ありがとうございます!」とお出迎え。
入浴はお好きとのことでしたので、到着してすぐお風呂に入っていただいてから
昼食前の音楽レクで、歌の伴奏をしていただくようにしました。
もちろん午後の音楽レクでもギターで伴奏を。
キーボードを弾くことができるスタッフと、コードを合わせて演奏することもあり
他のお客様も楽しんでくださっています。

ご利用が週4回に

ご本人は仕事としてふるさとに来ていると思っていらっしゃるため、
他のお客様と話したり、皆さんの輪に入ることはほとんどありませんが
マンツーマンであれば、スタッフと
ギターや会社で働いていた頃のお話をしてくださるようになりました。
最初は週1回のご利用から始めましたが、今ではすっかり慣れてくださり
週4回通っていただいています。
送迎車の中で、「今日は何人来ているの?」と尋ねてくださったりと
やりがいを感じていただけているようで、ご家族も喜んでいらっしゃいます。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内