2020年09月02日

「自分のことは自分で」家族には頼りづらかった

ご主人と通ったデイは馴染めなかった
ご主人、息子さんと3人暮らしの80代女性。
ご本人は、自分のことは自分でしたい性格の方だそうで、
ご家族に介助されることを拒否していらっしゃいました。
しかし、認知症の症状が進行するにしたがって、
入浴をしてもしっかり髪や身体を洗えなくり、
リハビリパンツが汚れていても、取り換えることができなくなりました。
ご本人の衛生状態を心配したご主人が、以前から利用していた地域ケアプラザのデイサービスに
「一緒に行こう」と誘い、ご本人も通うことになりました。
ご主人はデイサービスでの入浴と、ご友人とのお喋りを楽しみにしており、
とても馴染んでおられましたが、ご本人はしばらく通っても馴染めず、一人で過ごすばかり。
地域ケアプラザのデイサービスでも入浴することが難しかったため、
息子さんが「近所の認知症対応型のふるさとを利用できないか」と、ケアマネジャーに相談。
ご利用いただくことになりました。

シートに防水シーツ 濡れたリハビリパンツのままでOK
最初のお連れ出しの際は、これまでご主人と一緒に地域ケアプラザに通っていたため、
急に一人になることに不安を感じられたのか、「行きたくない」と嫌がられてしまいました。
また、ふるさとに行く準備をする際に、
ご主人から「汚れたリハビリパンツを取り替えて」と言われたことで口論になり、
ご本人は興奮されている様子でした。
そこで、送迎車のシートに防水シーツを敷き、「そのままご乗車いただいて大丈夫ですよ」と
スタッフがお声かけ。
落ち着いていただくことができ、お連れ出しすることができました。

入浴をして清潔な衣服に
施設に到着後は、すぐにバイタル測定をして健康状態を確認。
水分補給をしていただいて、入浴のお誘いをしました。
初めは「いいわよー、家で入るわよー」と断られてしまいましたが、
ご自身も汚れたリハビリパンツが気持ち悪かったのでしょうか、
お話をしながら何度かお誘いすると、ご入浴いただくことができました。

率先して手伝いも 意欲的な方
しばらく通っていただくうちに、すっかりふるさとにも慣れてくださり、
お喋りが好きで、歌の時間が楽しみということがわかりました。
ご本人は「できることは自分でしたい」とおっしゃり、食事の際もご自身で下膳してくださり、
他のお客様のお皿までも片付けてくださいます。
パーキンソン症状があるため、片付けをしてくださる時には転倒しないよう、
いつもスタッフが付き添って行っています。
お客様全員で行う貼り絵では、「七夕までに完成させよう!」と目標をたててくださり、
大変意欲的に取り組んでくださいます。
以前はご家族とお出かけする際、嫌がられてご自宅から出なかったそうですが、
今ではすんなりと外出してくれるそうで、ご家族もとても喜んでくださっています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内