2017年05月17日

ベッドとトイレの往復で築いた信頼関係

一人での生活に不安があった 
一人暮らしの女性。
ご近所にお住まいのご家族が毎日夕方に様子をみていたのですが、
認知症が進むにつれて、日中の生活が不安になり、ケアマネジャーへ相談したそうです。
ご症状から、認知症の方専門のふるさとがよいとケアマネジャーは判断し、
ご利用いただくことになりました。

「出かけたくない」とお休みが続いた
ご家族のお話によると本来は穏やかな方なのですが、
出かけることを嫌がり、声を荒げるようになったそうです。
ご利用いただく前にスタッフは何度か訪問し、お話をしたり、
一緒の時間を過ごしたりしたのですが、
施設へお誘いすると「今日は風邪ぎみで」、「用事があるから」とおっしゃり、
なかなか来ていただくことができませんでした。
そこで、「ちょっとだけお茶を飲みに行きましよう」とお話しして、
短時間利用を重ねてもらうことに。
しかし、「こんなところに来たくなかった!」と、大きな声でお話しされ、
ふるさとのことを快く思ってもらえませんでした。

ベッドとトイレを一緒に往復しているうちに
ご来所してすぐに「眠たい」と言われることが多く、ベッドでお休みしてもらいましたが、
何度もお手洗いへ立たれ、スタッフが付き添いました。
はじめのうちは、ほとんどの時間をベッドとトイレの往復されて過ごされました。
ご本人が「行きたい」と言われたら、すぐにスタッフがお手洗いへご案内していると、
ベッドからトイレの行き帰りで、少しずつお話しされるようになりました。
そのうちに、「ありがとう」とスタッフに言葉をかけてくださるように。
また、他のお客様が楽しまれているレクリエーションに目を向けることがあったので、
その際は「お休みされる前に、一緒に歌いませんか?」と誘わせていただきました。
ご利用いただくにつれて、参加される時間が増えていき、笑顔も見られるようになっていきました。

周りの方へ民謡を歌ってくださるほどに
週3回のご利用で開始から半年ほどが過ぎると、
積極的にレクリエーションを楽しまれ、ベッドでお休みすることがほとんどなくなりました。
主に歌やテーブルゲームなどの座って行うレクリエーションがお好みでしたが、
輪投げやボウリングなど身体を使うことにも積極的になり、
それと同時にお手洗いへ行かれる回数が減っていきました。
今では、ご本人から歌のリクエストがあることも多く、
周りの皆様に民謡を披露してくださるなど、笑顔でふるさとを楽しんでいただいております。
ケアマネジャーは「表情が豊かになって、お元気になりましたね」と言ってくださり、
ご利用日でない日はご家族とお出かけを楽しまれるようになったと伺っております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内