2012年12月19日

3年近く入浴を拒んでいた方が、ふるさとで入浴好きに

「入浴をあまりに嫌がるので可哀想・・・」
3年近くご入浴を拒否されている女性のお客様。
お着替えなさるときも、大声をあげて嫌がるので、ご家族様はどう接して良いのか悩んでいました。
「お風呂には入って欲しいけれど、そこまで嫌がるなら可哀想」と、あきらめかけていました。
ところが、ご本人は体を強く掻くなど、不快を感じているような素振りがあったそうです。
また、ケアマネジャーと訪問ヘルパーも、衛生面から入浴の必要性を感じていました。

「私を裸にして、どうするつもりだい?」
以前、別のお客様でご入浴の拒否をされていた方が、
ふるさとにいらっしゃってから、ご入浴をしていただけるようになったことがありました。
そのことをケアマネジャーが覚えていたので、今回もふるさとを利用してくださいました。

最初にふるさとにいらっしゃった日は、脱衣所に入った瞬間から「やめてー!」と大声を出しておられました。
3年近くも入浴することから離れていたので、浴室という空間そのものに違和感があったようです。
そして、「なんてひどいことをするんだよ!私を裸にして何をしようってんだよ!」と、
大声をあげながら拒み続けていらしたので、この日は無理に入浴はせず、脱衣所で世間話をすることにいたしました。

受け入れてくださるときと、受け入れていただけないときの違い
浴室や脱衣所という空間に慣れていただくまでは、脱衣所にお連れすることだけを繰り返し行いました。
1ヶ月程経ったある日、「やだーやめてー!」と大声を出されながらも、ご入浴をしていただけました。

それからは、お声かけを繰り返し行うと、ご入浴していただける日が多くなっていきました。
入浴を受け入れてくださる場合とそうでない場合は何が違うのでしょうか。
スタッフは日々考え、気付いたことがありました。
それは、すぐにご入浴できた日は下着が汚れていることが多く、強い拒否の日は下着が清潔であることが多いということ。
実際は汚れていることについて、ご本人が一番不快を感じていらっしゃったようです。
本当は入浴したいのにどうしても拒んでしまう。その理由はご本人もスタッフも未だに分かりません。
しかし、ご入浴後はとても満足そうにくつろいでくださるので、お誘いを受け入れていただけるまで、
毎回30分以上時間をかけて、お声かけをさせていただいております。

現在では週3回もご入浴していただけるまでに
ふるさとにいらっしゃる前までは、髪の毛が汚れや汗でベタベタしている状態がご本人にとっては普通の状態でした。
ところが、髪の毛がサラサラすることや、肌がさっぱりすることの爽快感を知っていただくようになると、
ご自身でお召し物を脱いで浴室に入って行くことが増えていきました。

今でもご自宅ではご入浴は拒否しておられるそうです。
しかし、週に3回はふるさとでご入浴していただけるので、ご自宅での入浴介助はほとんど必要なくなり、
ご家族様や訪問ヘルパーの方も大変喜んでくださいました。

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