2016年10月19日

「帰らないと…」、「家事があるから…」の言葉に

当日の朝「行かない」と言うことが続き、利用を断られた
ご主人と息子様、お孫様とお住まいの女性。
寝てばかりになり、あまり食事をとらなくなっていました。
生活の改善のために近所のデイサービスを利用することになったのですが、
当日、職員がお迎えに来ると「行かない」と拒み、通うことができなかったそうです。
デイサービスから利用を断られてしまい、
ケアマネジャーの勧めでふるさとをご利用いただくこととなりました。

ご主人との押し問答後ふるさとへ 送迎車の中でお話を
初めてのご利用日、スタッフがお迎えに伺うと、「行かない」とベッドに入ってしまいました。
15分ほどお話しさせていただいたのですが、お返事は変わりませんでした。
そのうちにご主人が痺れを切らして声を荒げ、
「早く行きなさい!」、「行かない。あなたが行けばいい!」と2人で言い合いに…。
スタッフが間に入るように「わたしと一緒に少し外へ出ませんか?」と声をかけ、
奥様に外に出てもらうことができました。
施設へ向かう車の中で、はじめはご主人に対する不満を言っていたのですが、
スタッフが笑顔でお話を伺っていると、だんだんと口調が穏やかになり、
施設に到着する頃には、ニコニコとご主人の優しい性格についてお話しされていました。

「帰らないと」の言葉にお手伝いを頼んでみると…
施設でレクリエーションを楽しんだ後、昼食を召し上がっていただきました。
すると、それまで落ち着いていた奥様がソワソワとされ、
「もうこんな時間? 帰って家事をしないと…」、
「お父さんに『どこに行ってたの?』って言われるわ」と席を立って荷物を探しはじめました。
スタッフから「ご主人は夕方まで出かけているそうですよ。ゆっくりして行ってください」とお話しすると、
「そう」と一旦は席に戻ったのですが、しばらくすると再び「帰らないと…」、「家事が…」と、
時計を見てソワソワとされました。
そこで、「○○さん、すみませんが、手伝っていただけませんか?」と声をかけ、
レジ袋を畳んだり、新聞紙を片付けたりすることをお願いしてみると快く手伝ってくださり、
その後はスタッフとのお話を楽しんでいただきました。

「お願いして、よかった」とご主人に笑顔が見られた
ふるさとで夕方まで過ごしご自宅へお送りすると、ご主人が笑顔で出迎えてくださり、
「初日から行けるとは思わなかった。びっくりです」とおっしゃっていました。
週2回通っていただくと生活のリズムが改善し、奥様はみるみるうちにお元気になりました。
ご家族様より「ふるさとさんにお願いして本当によかった」と嬉しいお言葉をいただきました。
さらに、それから半年後ご利用を週3回に増やしていただくと、
ふるさとで顔馴染みができ、楽しそうに通っていただけるように。
時々、午後になると「帰らないといけないわ」と言われることがありますが、
「送迎の車が来たら声をかけますね。それまでソファでゆっくりしていてくださいね」と
お話しすると、「そうね」と笑顔になり、快く過ごしてくださっています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内