2016年07月20日

穏やかな男性が突然怒り出した理由

穏やかだった方が突然怒り出すように…
奥様と2人暮らしの男性。
認知症状が見られはじめたことから、ケアマネジャーよりデイサービスの利用を提案され、
2年ほど前から、ふるさとを週2回ご利用いただいておりました。
穏やかな方で、いつもニコニコと笑っていることが多かったのですが、
ある日を境に突然、怒り出すようになりました。

ご自分の食べ残しについて怒っていた
お昼ごはんの最中に突然、「だめじゃないか!」と大きな声を上げ、
目の前のトレイを指し、「誰だ? こんなに食べ残しているのは!?」と怒鳴っていました。
見ると、ご自身が食べ残したお皿でした。
スタッフは「お下げしましょうか」と声をかけトレイを片付けたのですが、
その後も険しい表情のままお過ごしに…。
以来、お食事中に怒鳴り出すことが続き、午後は笑顔が見られなくなっていました。
怒り出した理由を探すため、スタッフ全員で話し合いを行いました。

話し合いをしてみてわかったこと
それまで施設では、すぐに食べ終わった方がいらしても、
時間がくるまでトレイをお下げしていませんでした。
それは周りの方が食べているのをご覧になって『自分は食べていないのでは…』と不安になったり、
他の方のお食事を召し上がったりするのを、避けるためでした。
話し合いの中で、食べ終わるのが周りの方よりも早く、
食べ終わった後は、どこかソワソワとしてる様子があったことがわかりました。
もしかしたら、早くトレイを下げてほしかったのかもしれません。
また、「こんなに残して、もったいない!」、「だめじゃないか」という言葉から、
『食べ残しはいけないこと』と思われていたようです。
嫌いな食材が多く、すべて食べられないことに、心が痛んでいたのかもしれません。
スタッフは、それまでご本人様の本心を汲み取ることができなかったことを反省しました。

以前のような笑顔が戻り、穏やかに
そこで、ご本人様がお箸を置いて少ししたら、
「お下げしてもよろしいですか?」と声をかけ、すぐにトレイを下げさせていただくことに。
おやつの時も同じように、すぐにお皿を下げるようにしました。
すると、怒ることも声を荒げることもなくなり、以前のように笑ってくださるようになりました。
それからケアマネジャーの判断で、利用日を増やすことになり、週4回のご利用に。
お休みすることもあまりなく、毎朝、笑顔でふるさとにいらしていただいております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内