2016年07月06日

目に見えない不安にも、寄り添う対応を

ある日から口の中の違和感を訴えるように
ご主人とお嬢様とお住まいの女性。
もの忘れなどの症状に進行が見られてきたことから、
ケアマネジャーの提案でふるさとを週4回ご利用いただくことになりました。
たいへんお元気で社交的な方で、あっという間に周りの方と打ち解け、
利用日を楽しんでくださっていました。
しかし、ある日を境に口の中の違和感を訴えるようになりました。

何度磨いても消えない不快感…
お食事後の口腔ケアの後、難しい顔でしきりに口の周りを気にされ、
「歯に何か挟まっているみたい」とおっしゃるので、スタッフはもう一度洗面所へご案内し、
フロスを使い、歯磨きをていねいに手伝わせていただきました。
きれいになった歯や口の中を一緒に鏡で確認し、
いつものテーブル席に戻っていただいたのですが、不快感は消えなかったようです。
その日は何度歯を磨き、口をゆすいでも、お帰りになるまで口の中を気にされていました。
ご家族様と相談し、それからは歯に挟まりやすい海苔やわかめなどを、
メニューから除いてご提供することにしました。
しかし、なかなか口の中の違和感は消えなかったようです。
それからも昼食後に何度も洗面所へご案内することが続き、
だんだんと午後のレクリエーションに参加されなくなりました。

「大丈夫ですよ」 気持ちや発言を否定しない対応
ご家庭での様子を伺ったところ、ご自宅でも同じことをおっしゃっていて、
すでに歯科を受診し、異常がないことを確認されているとのこと。
何かに対する不安感や不快感が、口の中の違和感となっていたのかも知れません。
スタッフは食後に個別で対応する時間を今まで以上にとるようにしました。
テーブルではなくソファーで、じっくりお話しすることで、
不快感や違和感を忘れて、少しでも楽しくなれるよう心がけました。
何も挟まっていないことは事実なのですが、そのままお伝えせず、
スタッフが、「きれいになりました。大丈夫ですよ」と声をかけ、気持ちを否定しないようにしました。

すると、「そうね、大丈夫ね」と、安心して午後の時間を楽しむように
少しずつスタッフを信頼してくださるようになり、
「大丈夫ですよ」とお伝えすると、「そうね、大丈夫ね」と納得されるように。
安心してテーブルに戻り、周りの方とレクリエーションを楽しまれるようになりました。
開始から半年が過ぎた頃から週5回に回数を増やし、時々臨時でもご利用いただくように。
ケアマネジャーより「ふるさとさんを利用して良かった。本当に小さなことまで、よくしてもらっています」と、
ご家族様からの嬉しいお言葉をいただきました。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内