2016年05月11日

若年性認知症ケアの創意工夫

精神的な病気で入院中、認知症と診断された
三人家族の女性。
以前は現役のキャリアウーマンとして働いていらしたのですが、
精神的なご病気で入院されることになったそうです。
物事に関心を示さず、無表情でいるようになり、入院中に若年性認知症と診断されたそう。
付き添いが必要になったのですが、ご家族様はお仕事があるため、
認知症の症状に対応できるデイサービスを利用されることに。
ケアマネジャーの紹介で、ご退院後すぐにふるさとをご利用いただくこととなりました。

同年代のスタッフが一対一でご対応
ご本人様をお迎えするにあたり、施設では話し合いが行われました。
若年性認知症ということで、周りのお客様よりも見た目が若いだけでなく、
ご趣味やお好みも異なっていることが考えられました。
傍にいるスタッフの年齢がご自身と近いほうが安心され、話も合うのではないかと、
同年代の女性スタッフがご対応させていただくことになりました。
しかし、どんなふうにお声をかけても上の空といった様子で、
お返事してくださることは、ほとんどありませんでした。
また、お食事がなかなか進まないようで、何度も途中で手を止められ、
全量を召し上がっていただくことができませんでした。

空間を仕切って二人だけでお話を
施設の雰囲気は、今までいらっしゃった病院やご自宅とは違っていますので、
視界に入る物や、音が気になるのではないかと思い、
パーティションを使ってご本人様専用のスペースを作ることにしました。
同世代の親しい間柄のように、スタッフはたくさんの話題でお話しかけさせていただきました。
二人きりの空間で話す思い出話は、心を開いてくださるきっかけになったようでした。
ご利用いただく毎に段々とスタッフの目を見てくださるようになり、
「うん」、「そうねぇ」などと声に出して、お返事をしてくださるように。
お食事はゆっくりですが、全量を召し上がっていただけるようになりました。
徐々に表情にも変化が見られるようになっていきました。

他の方との談笑にも加わるように
開始から半年が過ぎる頃になると、スタッフとの会話中に笑顔を見せてくださるようになりました。
さらに、これまでご自分からお話しされなかったご本人が、「ねぇ、ねぇ?」と、声をかけてくださるように。
ご家族様は「週に5回通っているお陰で顔付きも変わったし、言葉を話すようになりました」と、
変化をとても喜んでくださっております。
最近ではご本人様は、スタッフと一緒に他の方との談笑に加わることもあり、
周囲のお客様につられて微笑まれたり、優しいご表情でお過ごしになっています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内