2016年01月13日

食欲の減退 体重も笑顔も減ってしまったお客様

食事量が減ってしまい体調不良で入院
ご主人と二人暮らしの女性。
もの忘れなどの症状が目立つようになったとのことで、
ケアマネジャーの紹介で週に2回ふるさとにいらっしゃることになりました。
社交的なご性格のご本人様はすぐにスタッフや周囲の方と打ち解け、楽しんで通ってくださっていたのですが…
ある夏、食欲がなくなってしまったようで、ご自宅でも施設でも召し上がるお食事の量が減り、
脱水症状を伴う体調不良から一時入院されることとなりました。
程なくご退院されたのですが、病院ではお食事や水分を一切口にされなかったそうで、
ご退院後も、必要な栄養を経口の栄養剤で摂られることになったそうです。

ふるさとの再開 しかし様々なことに拒否が見られ…
ふるさとのご利用を再開された後も、ご昼食の際に栄養剤をお出しすることとなったのですが、
なかなか召し上がってくださらなく、こまめにお声をかけ、
ようやく必要量を召し上がっていただくような状態でした。
そればかりではなく、以前は快く受け入れてくださっていたご入浴など
様々なお誘いを拒否されるようになっており、ご表情も険しく笑顔をくださることが少なくなっていました。
また、体重が落ちてしまったことがとても心配で、
ご主人とケアマネジャー相談し、お食事をご用意させていただくこととなりました。
しかし、「私の分じゃないわ」、「お腹が空いていないの」とおっしゃり、
目の前のお食事をご覧になることもされませんでした。
お好きな果物や甘いものならと思いご用意しても、スプーンやフォークを持たれることなく、
一口も召し上がっていただくことができませんでした。

『一口でも召し上がっていただけたら』という強い思いから
このままでは、体重も体力も落ちていくばかりです。
『一口でも召し上がっていただけたら…』という思いで、毎回お食事をご用意させていただきました。
また、テーブルを囲んだ団欒だけでも楽しんでいただけるようにと、
お食事の時間はスタッフも席につき、たくさんお話しかけました。
ふるさとでお過ごしになるすべての時間に、少しでも多く笑っていだけるよう、
明るい声でお声をかけたり時々冗談を言ったりして、楽しい雰囲気を心がけていました。
すると、ご利用を再開されて1ヶ月が過ぎたあたりから少しずつ、
入浴やお手洗いなど様々なことに関して拒否が少なくなりはじめました。
笑顔をくださることが増えてきたある日、近くの方がお食事をされているのをご覧になると、
自らお箸を手に取り、一口召し上がってくださいました。
その日は一口で箸を置かれたのですが、その次の回は二口、
またその次の回は三口ほど召し上がってくださり、ご利用回毎に口にされる量が増えていきました。

栄養剤が不要なくらいお食事をしっかりと召し上がるように
ご主人は、毎回のお食事量を送迎時や連絡帳でお伝えする度に、とても喜んでくださいました。
ふるさとのご利用を再開から3ヶ月が経った頃には、
しっかりとお食事を召し上がってくださるようになり、栄養剤の摂取が不要になりました。
ご主人は、「色々と工夫をしてくださったお蔭です。本当に良かった。」とおっしゃってくださり、
安心の毎日を送れるようになったとのことです。
以前のように周りの方へお話しかけたりされることが増えたご本人様は、
現在も、笑顔でふるさとに通ってくださっております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内