「わたしには必要ない!」介護サービスを頑なに拒否
ご主人と二人暮らしの女性。
ご主人は、週に1回デイサービスに通い、訪問介護をご利用されていました。
ご長男ご家族が近所に住んでおられ、時々様子を見に行かれていたそうですが、
出来合いのお惣菜が食卓に置かれていることがだんだん多くなり、
ご本人様が家事をしなくなってきたことに気が付いたそうです。
さらに認知症の症状が増えてきて、徐々にご自宅に籠るように…。
心配したケアマネジャーが、デイサービスの利用を勧めましたが、
「わたしには、必要ない!」と、ご本人様は頑なに拒否。
ヘルパーの訪問も拒まれるようになり、ご自宅に他人を寄せ付けなくなってしまったそうです。
『お手伝い』をするために ふるさとへ
ケアマネジャーが認知症専門のふるさとなら、とご家族様に提案し、打ち合わせを行いました。
スタッフはご家族様に、ふるさとでは、ご本人らしい日常をお送りできるよう
ご希望に沿ったご対応をさせていただいていることをご説明。
また、お客様の今までの習慣をサポートするために、スタッフと一緒に食器の片付けを行ったり、
タオルを干したりしていただいていることをご説明いたしました。
すると、ご長男の奥様がご本人様に「施設の『お手伝い』に行ってみたら?」とお話しされ、
ご主人がデイサービスに行かれる日、ご本人様はふるさとをご利用いただくこととなりました。
ご本人様らしくお過ごしいただくために
ご利用日、スタッフがお迎えに上がると、快く施設に来てくださいました。
体操の時間になると、ご本人様は大きな声で数を数えてくださったり、
ゲームを行う際には、周りのお客様にお話しかけ、説明をしてくださったり、
面倒見の良いご本人様らしいお姿を見せてくださいました。
お食事後は、スタッフと一緒に台所で洗い物をしてくださいました。
しかし、「手伝いに来ているだけだから」と、ご入浴はされませんでした。
ご本人様は「介護は必要ない」、「手伝いに来ているだけ」というお気持ちでいらっしゃいますので、
スタッフは、施設でのご入浴に抵抗がある心情が理解できました。
そこで、「今日、ご主人はデイサービスでご入浴してこられますよね。
○○様、ご帰宅後に、一人分のお風呂を沸かすのは大変ではありませんか。
お手伝いをしてくださったお礼に、ぜひ、お風呂をいかがですか」とお話ししてみると、
「それもそうね」とおっしゃり、それ以来、自ら進んでご入浴されるようになりました。
ご自宅での過ごし方にも変化が見られた
ふるさとにいらっしゃるようになり、ご自宅でも変化が見られたそうです。
台所には、野菜などの食材が用意してあったり、煮物が作られていたりするように。
以前は汚れたまま山積みになっていた洗濯物は、洗濯機に入れてあることが増えたそうです。
「ふるさとでの『手伝い』が刺激になり、家事を思い出してきたようです」と、ご家族様は喜んでくださいました。
ご利用から4ヶ月が経ち、現在もご本人様は、生き生きとしたご表情でお手伝いに来てくださり、
スタッフや周りのお客様とお話しながら、食器洗いや洗濯物をたたんでくださいます。
認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内