2015年01月07日

無言で拒否を示していたご本人 趣味の映画鑑賞をきっかけに

乱暴な行動をとるようになり利用を断られた
奥様とご長男ご家族と6人でお住まいの男性。
他の介護施設をご利用されていましたが、
乱暴な行動をとるようになり、ご利用を断られてしまったそうです。
長身でがっしりとした体つきで、乱暴な振る舞いをされると、怪我などの恐れがあったそう。
ご家族様がケアマネジャーに相談し、ふるさとにいらっしゃることになりました。

玄関の付近で横たわったり…無言で拒否を示されていた
ご利用初日、施設に来ていただくことはできましたが、
玄関ドアからすぐのところで、寝そべるように横たわってしまい、
スタッフが丁寧に話しかけましたが、起き上がっていただくことができませんでした。
無理に身体を起こそうとすることはご本人様の意思に反することになるとスタッフは考え、
近くにシートを敷き、「お召し物が汚れてしまいますので、シートをご用意しました」とお声をかけました。
しばらくした後に起き上がってくださいましたが、ご表情は固く無言で、不機嫌なご様子でした。
お食事は、お皿をひっくり返そうとされたりして、あまり召し上がっていただけませんでした。

次のご利用日、施設の中に入っていただくことはできましたが、
席に着いていただくことはできず、お立ちになったままでした。
スタッフは、お好きな時に座っていただけるようご本人様の近くに椅子をご用意してお声をかけ、
そのまま見守らせていただきました。
しばらくすると席に座ってくださいましたが、
テーブルの脚を蹴ろうとされたり、ご不満があるような様子で施設内を静かに見回しておられました。
お食事もあまり進んで召し上がっていただけず、ほとんどを残されていました。

ご家庭のように安心してお過ごしいただくために
送迎の際にご本人様の様子をスタッフが見ていると、奥様とお話しされたり、手を振ったりされていました。
ほとんどお話されない施設での様子とは違うことに気が付いたスタッフは、
「どうしたらご家庭のように安心してお過ごしいただけるだろうか」と施設で話し合いをしました。
映画鑑賞がご趣味であることから、「施設で映画を観ていただくのはどうだろう」と意見が出て、
一番お好きだという映画のDVDをご用意することに。
その次のご利用日、ご来所いただいてすぐに「一緒に映画を観ませんか」と、お誘いしました。
初めはいつもと変わらない少し不機嫌そうなご様子もありましたが、
映画が始まると、とても喜んで観てくださり、笑っていらっしゃる姿も見られました。
この日を境に、少しずつスタッフとお話ししてくださるようになりました。

「以前のように触れ合うようになった」ご家族様からの声
徐々にスタッフと打ち解けていただけたようでした。
時にはスタッフと冗談を言い合い、声を出して笑ったり、笑顔を見せてくださることが多くなりました。
それに伴い、他のお客様と一緒にレクリエーションも楽しんでいただけるようになり、
お食事を残さずに召し上がっていただけるようになりました。
それから、週に4回ご利用いただくようになりました。
ご自宅でも穏やかに過ごされる時間が増えたそうで、
以前のようにお孫さんと触れ合うようになったと、ご家族様から伺いました。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内