2014年12月17日

ご家族の乱暴な言動がご本人の言動に

ご家族を介護していたご本人が認知症になられた
ご主人と二人暮らしの女性。
以前からご近所にお住いのお姉様を介護されていたそうです。
しかし、ご本人様が認知症を発症され、ご本人様自身が介護サービスをご利用されるようになったそう。
とても恰幅のいい方で、ヘルパーの方がご自宅に伺っていたそうですが、
暴れてしまい、ご入浴などの介助が難しかったそうです。
ケアマネジャーから紹介され、認知症の方を専門にしているふるさとにいらっしゃることになりました。

昔からご趣味であったコーラスや思い出話をきっかけに
ふるさとで楽しんでいただけるようスタッフは積極的にお話しかけました。
お食事もご自身で召し上がられ、ご入浴も快く受け入れてくださいました。
コーラスがご趣味であることや、思い出話などをスタッフに話してくださり、
ご本人様も楽しんでくださっているご様子でした。
しかしそのうちに、隣に座っていたスタッフが少しでも別の方向へ顔を向けたり、席を立とうとすると、
頭を小突いたり、腕をつねろうとされたりする一面が見られるようになってきました。
徐々に普段の言動にも変化が見られ、口数が少なくなり、時々「バカか」、「死ねばいいのに…」などと、
以前のご本人様からは考えられなかったようなきつい物言いをされるように…

きつい物言いの原因は何か?
はじめのうちスタッフは、ご本人が周りの気を引くためにそのような言葉を発しているのでは、と考えました。
しかし、あまりにも以前と変わってしまわれていたので、
もしかするとご本人様がどなたかに影響を受けているのではないかと思い、
「どなたかに言われたのですか?」と優しく伺ったところ、ご家族様が言われた言葉だとおっしゃられました。
スタッフがご主人にそれとなくご自宅での様子を伺うと、
ご本人様は近頃家中をずっと動き回るようになっていらっしゃり、立ったままお食事を召し上がられたり、
着替えなどの介助が行えない日も増え、大変なストレスをご主人が抱えていらっしゃることを知りました。
また、ご本人様が「トイレ」や「着替え」などといった日常的な事柄を忘れてしまうようになられ、
お姉様がきつい言葉を言ったり、乱暴な行動をご本人様にとられていたことも分かりました。

施設では一対一で 少しずつ笑顔を取り戻された
そのことが分かってからスタッフは、ご主人のお話を送迎時などによく伺い、
ご主人自身が心労を抱えていらっしゃらないか、さらによく気にかけるように。
施設では、乱暴な言動を否定するのではなく、スタッフと一対一で楽しい話題をお話ししながら
お過ごしいただくようにいたしました。
ご本人様のことを肯定するような言葉をおかけするようにすると、ご表情が柔和に明るくなり、
以前のような笑顔も見られるようになりました。
ふるさとにいらっしゃるようになり4年が経ち、
ご家族様からも信頼を寄せていただき、様々なお悩みなどを打ち明けてくださるようになりました。
今後も、ご本人様、ご家族様が日々を笑顔でお過ごしいただけるよう
お手伝いをさせていただきたいと思っています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内