2020年11月04日

水分摂取が苦手な方へ飲み物を食べられるものに

入院中に暴力・失語
奥様と二人暮らしの70代男性。
ケガをして入院中に認知症の症状が進行し、
次第に、暴力や失語の症状がみられるようになったそうです。
退院後は徘徊の症状もあり、一般のデイサービスでは受け入れが困難ということで
ケアマネジャーの勧めで、週3回ふるさとをご利用いただくことになりました。

水分摂取に悩んでいた
ご本人は飲み物を飲むことが好きではなく、
ご自宅ではほとんど水分摂取ができませんでした。
食事で摂ってもらおうとみそ汁などの汁物を出しても、口をつけてもらえなかったそうです。
そのため、尿量が少なく、便もなかなか出ず、奥様は悩んでいらっしゃいました。
奥様から「ふるさとで水分補給をお願いしたい」と依頼がありましたので、
どうしたら水分を摂ってもらえるか、ケアマネジャーと相談しました。

飲み物を食べ物のようにして提供
ご本人は、飲み物は飲まないけれど、食欲はとっても旺盛な方。
食べることには興味を持ってくださるので、
「飲み物を食べられるようにしたらどうか?」ということで
スポーツドリンクにとろみを付けて、スプーンで食べられるようにしました。
さらに飲み物をゼリーにして、デザート感覚で食べられるよう工夫してお出ししたところ、
どんどん食べてくださるようになりました。
ご本人は入院していた頃から、ミキサー食だったそうですが、
あまりに食べるスピードが速く、しっかり食べることができるようになったため、
徐々に普通食に戻すことができました。

恥ずかしいから暴力が出てしまう
ご自宅での入浴が難しくなっていたので、ふるさとで入浴を依頼されていました。
ご本人はフロアで過ごしている時は穏やかでしたが、
入浴とトイレの際は強く嫌がられ、暴力もみられました。
なんでこんなに嫌がられるんだろう?と、ご本人のご様子をよく見ながら介助を行ったところ、
陰部を隠すしぐさが見られたので、「恥ずかしいから嫌がっていらっしゃる」と判明。
そこで、これまで以上に、陰部を隠して介助を行うようにしました。
脱衣後はすぐにタオルをかけて身体を隠し、
洗う際もご自身でできるだけ洗ってもらうようにお声かけ。
トイレでは必要以上に見ないよう対応しました。
そのような対応を続けた結果、
今では浴槽に浸かりながら、気持ちよさそうにウトウトし始めるくらい、
穏やかに入浴してくださるようになりました。
水分も摂ってもらえるようになり、衛生面の問題も解決し、
奥様も大変喜んでくださっています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内