2014年03月19日

気分の浮き沈みが激しく、緊張状態が続く家の中

ご本人の機嫌が悪くなると、家中に緊張が走った
奥様と2人暮らしの男性。
ご本人は些細な変化に敏感で、少しでも意にそぐわないと険しいお顔になって、
奥様の腕を強く掴んだり、叩いたりすることがあったそうです。
奥様は一日中、ご本人の怒りに触れないように常に気を使っている状態でした。
このままでは奥様の精神的なダメージが大きくなってしまうため、
ケアマネジャーと相談し、デイサービスを利用することになりました。
以前、ふるさと以外のデイサービスの利用を試みたそうですが、
送迎の際、施設に到着し、職員がご本人に車から降りていただくように誘導すると、
ご本人は職員を叩いて嫌がり「家に帰りたい」と、何度もおっしゃったそうです。
ケアマネジャーは「認知症専門のデイサービスであればご本人も安心して通えるかもしれない」と、
ふるさとを利用していただくことになりました。

「行きたい」というお気持ちになるまで待った
初めてご自宅を訪問した際、スタッフは元気に自己紹介をし、ふるさとの施設についてご案内させていただきました。
その後、ふるさとの車に乗ってくださり、ご本人は「ドライブのようだ」と言って機嫌よく過ごしてくださいましたが、
施設に到着した途端、「行きたくないんだ」と、車から降りていただけませんでした。
先に同乗されていた他のお客様にお降りいただいた後、
ご本人だけを車にお乗せしたまま、車で施設周辺をご案内し何度も施設の前を通りました。
1時間ほど施設の前を行ったり来たりし、決して無理にお誘いすることをせず、
ご本人のご様子をみて、話しかけてよいタイミングの時に「お手洗いは大丈夫ですか?」と伺ってみました。
すると「ちょっと行く」と言ってくださったので、施設内のお手洗いへご案内しました。

付かず離れずの距離感が居心地良い
施設に入ってからも、必要以上に話しかけたりせず、
ご本人からのご質問があったときや、スタッフに興味を持ってくださったときにお話しすることにしました。
そんな少ないチャンスの中で安心感を持っていただくため、常に笑顔でお応えできるように心がけました。
そして、目線がスタッフの方に向いていらっしゃるときはスタッフに何か要求をしているときで、
別の方向を向いていらっしゃるときはお一人で過ごしたいというお気持ちの現れであると、次第にわかってきました。

機嫌が悪くなる日が減っていった
ご本人のペースに合わせたご対応を続けた結果、ふるさとが居心地の良い場所と感じていただけたようで、
1ヶ月ほど経った頃には、スタッフがご案内すると、すぐに車から降りて施設に入ってくださるようになりました。
また、ご自宅でも機嫌が悪くなることがほとんどなくなり、
ご本人がふるさとをご利用になっている間は奥様も安心してお出かけできるようになり、とても喜んでくださいました。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内