2014年03月12日

施設においでいただく約束を繰り返し行った結果は?

デイサービスに行くことを頑なに嫌がった
ひとり暮らしの男性。
親戚などのお身内の方々は、ご本人の自宅から離れた場所にお住まいのため、介護が難しく、
ご自身で食事や薬を摂取できないので、健康管理がほとんど出来ていない状況でした。
ご本人はご近所とのお付き合いもなく、お一人で家に引き籠もっていたそうです。
ケアマネジャーはご本人の身体面や精神面が不健康な状態であることを懸念し、デイサービスの利用を勧めました。
はじめはふるさとではない他の施設の利用が決まり、職員が訪問するとご本人は納得されていない様子で、
施設に行くことを嫌がったそうです。
ご本人が施設に行くことを嫌がる理由として、朝の送迎時間には起きていらっしゃらないため、
「職員に無理やり起こされた」というお気持ちが強かったようです。
そのため、個別の送迎が可能なふるさとをご利用いただくことになり、
慣れるまでご本人が起きる時間に訪問することが決まりました。

スタッフとの約束が記憶に残った
早速スタッフが伺うと、ちょうど起きていてくださったので、
ご本人のお出かけのお手伝いをさせていただきました。
お支度が終わるまで嫌がるご様子はなかったのですが、ふるさとの車に乗っていただこうとすると、
何か不安をお感じになったようで、すぐに自室にお戻りになりました。
スタッフはその後も無理に車へご案内することはせず、心を開いてくださるまで待つことにしました。
「では次回お待ちしております!よろしくお願いいたします」と声をおかけすると、
「わかったよ」と、言ってくださいました。
次に訪問した際も車には乗っていただけませんでしたが、
その次にいらっしゃっていただくお約束だけ交わして施設に戻りました。

ご本人が望む生活スタイルを維持した
そして3回目に訪問した際、「今日はお約束の日ですね」と声をおかけすると、
スタッフの顔をご覧になって、「ああ」と思い出してくださったご様子で、車に乗ってくださいました。
最初は週に1回2時間のご利用だったので、
お昼ごはんを食べに行く場所としてふるさとにおいでいただくことになりました。
食事が終わり、お薬を飲んでいただくと、ちょうど午後の1時。
いつもこの時間帯はベッドで少し横になることがご本人の習慣であるとケアマネジャーから聞いていたため、
ベッドのあるお部屋でくつろいでいただくことにしました。
また、ふるさとにおいでいただくことが習慣となるように、
お帰りの際は「次回もお待ちしております」と、お伝えしました。

ふるさとがもうひとつの家となり、入浴もしていただけるようになった
ご利用から1ヶ月ほど経つと、週3回朝から夕方までご利用いただけるようになり、
午前中にお風呂に入っていただいた後は、お昼ごはんを召し上がっていただき、
その後は少しお昼寝の時間を過ごされ、ご気分が良い時は時々レクリエーションに参加していただいております。
最初にお目にかかってから3ヶ月経った現在も、
いつもの合言葉である「次回もお待ちしております」を忘れずにお伝えしています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内