2014年02月05日

情緒不安定になった原因は耳の中にあった

家族だけで介護をすることに限界を感じた
長女一家と4人暮らしの女性。
ご本人はもともと他のデイサービスを利用していましたが、
終了時間までサービスを受けずにご本人が自宅に戻ってくるため、実際は長女がすべて介護を行う状況でした。
しかし、長女はデイサービスの利用を開始すると同時に仕事に就くことが決まったため、
仕事と介護の両立に限界を感じていました。

ふるさとのスタッフが施設利用中のお客様に会いに行った
そんなある日、ケアマネジャーからふるさとに連絡があり、
「別のデイに通っている、ご本人の様子を一度見に来て欲しい」とのご要望をいただき、
スタッフがその施設を利用中のご本人に会いに行くと、ケアマネジャーから受け入れの可否を問われ、
快諾すると、翌日からご利用いただけることになりました。
ご利用当初は「早く帰りたい」とドアの付近を行ったり来たりを繰り返したり、
トイレや入浴の介助を行うスタッフに対して叩くなどの行為もありましたが、
1ヶ月ほど経つとスタッフと落ち着いて会話をしていただけるようになりました。

聞こえにくいことが原因で情緒不安定になってしまった
ところが、ご本人が肺炎で3ヶ月間の入院生活を送ることになり、
再びふるさとにいらっしゃった時には、以前よりも情緒不安定な様子でした。
スタッフは、長い3ヶ月間の入院生活がご本人にとって大きなストレスとなってしまったのではないか、
とも考えたのですが、その答えはすぐに見つかりました。
片側の耳に大きな耳垢の塊があり、周りの声や音がほとんど聞こえていなかったのです。
耳垢は大きく、ふるさとで取り除くにはあまりに危険であるため、帰りの送迎でご家族様に報告すると、
たいへん驚いた様子で、その翌日に病院で診察を受けてくださいました。
診察の結果、「耳垢栓塞(じこうせんそく)」になっていたそうです。
その次のご利用日には前回見られた情緒不安定な様子もなく、肺炎で入院される前の状態に戻られ、
1年以上経った現在もふるさとをご利用いただいております。

耳垢栓塞(じこうせんそく)※と認知症の関係
耳垢栓塞は難聴や耳鳴りなどの症状を伴うことが多く、周囲の状況を理解しにくい状態となり、
ご本人の機嫌が悪く見えたり、つじつまの合わない会話をするようになります。
以前より、コミュニケーションがうまくいかないと感じられたら、
耳垢栓塞の可能性もありますので病院で検査を受けることが大切です。
※耳垢栓塞・・・耳垢が塊となって耳の穴が塞がれた状態のこと

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内