2014年01月29日

一晩中お酒を飲む毎日、健康状態を心配するご家族

昼夜逆転の生活、ほとんど食事をしなかった
奥様と2人暮らしの男性。
お酒を好み、毎日夕方から明け方まで飲み続け、その後、8時頃に寝て16時頃に起きるという、
昼夜逆転の生活を送っていたそうです。
ご本人が起きている間に、奥様は食事をお出しするのですが、
「人が飲んでいるところを邪魔するでない!」と、食事をせずにお酒を飲み続けていました。
奥様は、このままではご本人が栄養失調で体調を悪くするのではないかと、
ケアマネジャーに相談すると、デイサービスの利用を勧められました。

お迎えの時間を通常より2~3時間遅らせた
ちょうどご本人が眠りにつく時間帯を避ける必要があるという理由で、
個別に送迎が可能なふるさとのご利用が決まりました。
スタッフは事前に、ケアマネジャーやご家族様からご本人の様子を伺い、
10時から11時の間にお迎えにいくことになりました。
ところが、その時間にスタッフがご自宅を訪問し、お部屋に伺ってお声かけしても、
起きていただけなかったので、お昼の1時に出直すことにしました。
そして、1時に伺ったとき、ご本人はベッドで少し目を開けていたので、
スタッフの顔を覚えていただくために、ご挨拶をしました。
すると、「わかった、わかった」という身振りで応えてくださったので、
ご家族様と相談し、しばらくの間は1日2回訪問することになりました。
何回か訪問を続ける中、決まって1時のお声かけには少しずつ反応してくださるようになりましたが、
午前中はまったく起きていただけない状況が2週間ほど続きました。

そんなある日、午前中の訪問で初めてスタッフの声に反応してくださり、
ベッドから起き上がってしばらくご家族様やスタッフの顔を見つめていました。
ところが、すぐに横になって眠り始めたのですが、スタッフは「今日しかない!」と思い、
すぐに帰ることはせずに、ご本人が眠る傍らで30分ほどご家族様とお話をしていました。
すると、その話し声に反応してくださったようで、起きて出かける支度をしてくださいました。

ふるさとではお昼ごはんを完食してくださるようになった
その後、施設に到着してから、ご本人は寝不足のせいか、少しイライラした様子も見受けられましたが、
温かいお昼ごはんをお出しすると、すべて召し上がってくださいました。
この日はご本人にお酒が残っているということもあり、入浴はできませんでしたが、
ご家族様から「お昼ごはんを食べてくれただけでも安心しました」とのお声をいただきました。
その後も、1回目のお迎えで応じてくださったり、2回目の午後のお迎えに応じてくださるようになりました。

ご本人がボランティアをしていた頃と同じ環境づくり
スタッフは、ご本人にとってふるさとが食事する場所だけではなく、
少しずつ楽しんでいただける場所になれるよう、考えました。
そこで、以前、ご本人がやりがいを感じていらっしゃっという福祉施設でのボランティア活動を、
ふるさとで復活していただくことにしました。
お昼ごはん後、他のお客様がゆっくりくつろぐ中、
ご本人の手品や小話などのレクリエーションを披露していただきましたが、
それはお客様だけではなく、スタッフも楽しめる高度な内容だったのです。
ご本人は、周りの反応から手応えを感じてくださったようで、
毎回ふるさとでレクリエーションに参加することを楽しみに来てくださるようになりました。

2年経った現在も、明け方までお酒を飲むことは続けていらっしゃいますが、
食事をするようになったことや、やりがいを持ってふるさとに通ってくださることを、
ご家族様はとても喜んでくださっています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内