2013年12月18日

自宅にいるのに「家に帰らなくては・・・」、困惑するご家族様

奥様のことを同僚と思い込むようになった
奥様と二人暮らしの男性。
ご本人は、幻覚や幻聴の症状が見られ、奥様を昔の同僚と誤認識することが多くなりました。
また、自宅を「自分の家」という認識ができなくなり、
夕方を過ぎる頃には「家に帰らなくては・・・」と、近所を歩き続けることや、
夜中に突然自宅を飛び出すことがあったそうです。
こういったことが2年近く続きましたが、奥様は誰にも言えずにお一人でご本人を探し回っていたそうです。
その様子を見ていた近隣の方が心配し、地域包括支援センターに連絡しました。

お話をすることが好き、スタッフは聞き続けた
地域包括支援センターの職員はご本人の自宅を訪問し、
介護サービスの説明後に奥様と相談した結果、ふるさとのご利用が決まりました。
ふるさとにいらっしゃると、スタッフに話しかけてくださいました。
スタッフが伺うと、内容を理解することは難しかったのですが、
ご本人が一生懸命にお話されているので、お一言お一言にお答えいたしました。

ふるさとが「会社」になり、自宅が「家」になった
ご本人はふるさとを会社と思ってくださるようになり、帰りの送迎時間になると、
「家に帰る」と、スタッフにお声をかけてくださいました。
スタッフは「そうですね。お仕事が終わったので、お家に帰りましょう。」と、お答えいたしました。
それ以来、ふるさとが「会社」になり、自宅を「家」と思ってくださるようになり、
普段もお一人で近所を歩きまわることや夜中に自宅を出ていくことがほとんどなくなったそうです。

「自費でもふるさとに通って欲しい」
ご本人のご利用の上限は週5日くらいですが、
「自費でもふるさとに通って欲しい」と、奥様からご要望をいただき、
毎日ご利用いただくことになりました。

初めてふるさとにいらっしゃってから1年が経った現在、
毎朝早く起きて、お仕事をされていた頃と同じように支度をして、
玄関でスタッフにお迎えを待っていてくださるようになりました。
ご本人の表情も明るくなり、
奥様も「夫がこんなに楽しみにしているなら私も嬉しい。」と、
喜んでくださっています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内