2013年11月06日

猛暑が続いた夏、ほとんど水分を摂っていなかった

施設の話をすると険しい表情になった
ひとり暮らしの女性。
はじめは他のデイサービスを利用していましたが、職員の方が迎えに行っても、
「行きません!」と、施設に行くことを嫌がっていたそうです。
職員の方は1ヶ月の間、何度も自宅を訪問しましたが、
お誘いに応じることはありませんでした。
ご家族様はご本人の自宅から遠方にお住まいのため、
様子を見にいくことが出来ないので、大変心配していらっしゃいました。
ケアマネジャーは、早急にご本人と信頼関係を築ける施設が必要と判断し、
ふるさとにいらっしゃることになりました。

ご自身について語りスタッフに関心を寄せてくださった
ふるさとのスタッフがご自宅にお迎えにいくと、親しげに天気や食べ物の話をしてくださいましたが、
デイサービスのお迎えであることを知ると、急に表情が険しくなり、
玄関のドアを閉めて、スタッフのお声かけに応じていただくことはありませんでした。
そのことがあってから、訪問時は施設の話はせず、
世間話だけをしてスタッフの顔を覚えていただくことから始めました。
それから3週間経った頃、ご本人からご自身の出身地や趣味のお話をしてくださり、
「あなた健康そうね。お生まれはどこ?」と、少しずつスタッフに関心を寄せてくださるようになりました。

ふるさとのスタッフが訪問を続けたことで気づいた事
訪問をさせていただく中で、お留守のときが何度かあったので、スタッフは気になっていました。
そんなある日、ご自宅の前でスタッフが車から降りると、お散歩から戻った様子のご本人に呼び止められました。
その日は猛暑で、足元がふらついていらっしゃったので、スタッフが水分を摂っていただくようにお伝えすると、
「余計なお世話!」と言って家の中に入ったまま、その日はお話していただけませんでした。

翌日も猛暑日だったので、スタッフはご本人の様子が気になり、いつもより2時間くらい早く訪問すると、
ちょうどご本人と出くわし、一緒にお散歩をさせていただきました。
炎天下の中、ご本人は帽子もかぶらずに1時間以上歩いた後も、水分補給をしないまま家に入っていきました。

「あなたがそう言うなら付き合ってあげる」
スタッフは外の自動販売機で水を購入し、それを飲んでいただくようにインターホンでお伝えし、
玄関の前で待つことにしました。
それから10分ほど経つと、ご本人はドアを開けてくださり、スタッフを部屋まで招き入れてくださいました。
しばらく雑談をした後、「お腹が空いたので一緒にご飯を食べていただけませんか?」と伺うと、
「あなたがそう言うなら付き合ってあげる。」と、言ってくださり、ふるさとの車に乗っていただきました。
施設に到着し、お席へご案内すると他のお客様と一緒にお昼ごはんを召し上がってくださいました。

ふるさとにお越しいただくまで6週間かかりましたが、
訪問時にご本人と接していく中で、ご興味を持っていることや、自宅でどのように過ごしていらっしゃるのか、
を心得る貴重な時間となりました。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内