2017年07月05日

利用に慣れるまで、玄関でお話を

出先で警察に保護、さらに夜間の外出が心配で
奥様とご長女ご家族とお住まいの男性。
以前は、県外の緑の多い地域に奥様と二人で暮らしていたのですが、
十数年前にご長女とそのご家族と同居するため、神奈川県に引っ越して来られたそうです。
出かけることや買い物が好きだったのですが、出かけるたびに同じ物を買って来たり、
道に迷って警察に保護されたりするようになったそうです。
夜、家族が眠っている間に一人で外に出ることが続き、
デイサービスを利用してみようと思ったそうです。

「ここから出してほしい」と玄関へ
ケアマネジャーにふるさとを紹介されたのですが、
ご本人がデイサービスを受け入れられるか心配とのことで、ご家族と見学に来られました。
ご本人は、オセロや将棋などテーブルゲームを好んでいたことを伺い、
それに近いパズルなどのゲームをご用意すると、集中して取り組まれ、
その姿を見てご家族が安心してくださり、ご利用が決まりました。
しかし、実際に通ってもらうようになると、一旦は席に着いてもすぐに玄関のほうへ行き、
「ここから出してほしい」、「家が近いから帰りたい」と言われ、
しばらくの間は落ち着いて過ごされる日がありませんでした。

玄関の近くでお話を楽しむようになって
時々は、スタッフとの会話やゲームを楽しまれるのですが、
「帰りたいな」と言われることは変わらず、ずっと玄関の近くで過ごされることもありました。
スタッフは、時間になったらご自宅までお送りすることをお伝えした後は、
席に戻ることを無理に勧めませんでした。
一緒に玄関前の椅子に座ってお話ししていると、段々ご本人が好きな話題が分かるように。
特に興味を示されたのは、かつての仕事に関係した話題でした。
昔のことを思い出され、楽しそうに話されるのをスタッフが熱心に聞いていると、
ご本人はふるさとに仕事に来ているような気持ちになったようです。
「あちらで一緒に作業をしませんか?」と誘うと喜んでくださり、
テーブルゲームなど指先を使うレクリエーションを楽しまれるようになりました。

生活リズムが安定して夜間の外出がなくなった
ご利用を重ねふるさとに通うことが習慣になると、「帰りたい」と言われることがなくなり、
また、朝からご来所されるため、生活リズムが安定してきました。
ご利用日ではない日にご家族と一緒に散歩をされていることもあり、
開始以来、夜中に外へ出ることがなくなったそうです。
ご家族に「今日は(ふるさとで)○○をした」と楽しそうにお話しされるそうで、
「こんな笑顔が見れるなんて。本当にありがたいわ」と喜んでくださっています。
現在ご利用は週3回ですが、ケアマネジャーと相談して利用日を増やすことを考えているそうです。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内