2017年05月24日

脱衣に抵抗がある方に入浴を楽しんでもらうために

入浴の拒否と帰宅願望があった
奥様と二人暮らしの男性。
認知症の症状が進行するにつれて、通っていたデイサービスでのご入浴を嫌がり、
また、突然怒り出して「帰る」と言ったりするようになったそうです。
ケアマネジャーと相談して、認知症の方専門のふるさとをご利用いただくこととなりました。

丁寧に説明してもご抵抗が
ご来所になると、不安そうにあちらこちらと室内を歩かれていましたので、
まずはスタッフに慣れていただけるように、付き添いながらたくさんお話しかけました。
そのまま脱衣所へお誘いしたのですが、「なんだ?!」、「どうする気だ?」とおっしゃり、
入浴であることを丁寧にお話ししても、服を脱いでもらうことができませんでした。
次の回もその次の回も同様で、ご抵抗のお気持ちで手を振り上げようとすることも…。
入浴自体は嫌いではないとのことでしたので、お風呂に入るために服を脱ぐ、ということが分からず、
そのため抵抗があるのではないかと考え、送迎後、スタッフは施設で話し合うことにしました。

どうしたら快く脱いでいただけるだろうか…
話し合いの中で、送迎の際に「乗っていただけますか?」と声をかけた時は、
「どこに連れて行くんだ?!」となかなかご乗車されないのに対して、
何も言わずにドアを開けて手を添えると、ご自分からスッと乗ることがあることが分かりました。
そこで、ご入浴時も「お風呂」や「脱ぐ」といった言葉は使わず、
入浴と関係のない話をしながら、お手伝いさせていただくことに。
次のご利用日、天気や趣味などの話をしながら、お手伝いさせていただくと、
ご抵抗なく脱いでいただくことができました。
しかし、スタッフが服をたたもうとすると「私の服をどうするんだ?!」と気になるようでしたので、
脱衣所の外に置くことにしました。
そうしてすっかり脱いでもらうと、気分がお風呂へ向きご入浴していただくことができました。

さっぱりして気分よく過ごしてもらえるようになった
その次も、同じように脱衣をお手伝いすると、嫌がることなく脱いでもらえ、
毎回のように入っていただけるようになりました。
ご入浴後はご気分がよくなるようで、大きな声を出すことが減っていきました。
そのうち、座ってお話ししたり、ゲームを楽しんだりと、安心してお過ごしいただけるように。
家でお風呂の世話ができずお困りだった奥様は、とても喜んでくださり、
またケアマネジャーもご本人様の落ち着いた様子を見て安心されています。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内