2016年11月02日

言動を否定しない 肯定的な声がけで

一時は利用を考えたものの…「無理だろう」と断念
奥様とふたり暮らしの男性。
奥様の姿が少しでも見えなくなると不安になり、
何度も名前を呼んだり、家中を探しまわったりしていたそうです。
奥様は、ご本人様に付きっきりでいなければならず、
食料や日用品の買い物もままならなくなっていました。
一時はデイサービスの利用を考えたのですが、
「ひとりで行くのは無理だろう」と諦めてしまっていました。

表情が暗く、元気がない奥様に休息を
奥様から相談を受けたケアマネジャーは以前より、
ふるさとがどのような症状の方にも快く通ってもらえるよう様々な工夫をしていることに、
関心を寄せてくださっていたそうです。
ケアマネジャーからふるさとを紹介していただくこととなり、
さっそくスタッフが訪問することとなりました。
その頃には奥様は、お風呂やトイレにもゆっくり行けなくなっていたそうで、
表情が暗く、お元気もありませんでした。
1時間ほどの話し合いの後、奥様の休息のために週1回ご利用いただくこととなりました。

言動を否定せず、肯定的なお返事を心がけた
初めてのご利用日、ご本人様は奥様が送迎の車に乗らないことに気付くと、
「○○さん(奥様のこと)は?」、「(自分は)どこに行くんだ?」と言われていたのですが、
「奥様に後ほどお会いできますよ」、「楽しいところに行きましょう」と伝えると安心され、
スタッフとの会話を楽しみながら施設へ来ていただくことができました。
お昼を召し上がると「さて、帰ろうかな」と席をお立ちになりましたが、
スタッフは止めることなく一緒に玄関まで行き、
「運転手を呼びますので、お待ちいただけますか」と声をかけました。
すると、「わかった」とそばにあった椅子に座られ、
その後、他のスタッフからのお誘いで将棋を楽しんでいただきました。

ご自身のペースを取り戻した奥様 趣味の再開も
夕方、ご自宅へお送りすると出迎えてくれた奥様が、
「たいへんだったでしょう」とスタッフに声をかけてくれました。
奥様は、「施設から帰されるんじゃないかと、一日中心配で…」とずっと家にいらしたそうです。
施設での様子をお伝えすると、ホッと安堵の表情を浮かべていました。
それから1年が過ぎ、現在は週に4回ご利用いただくようになりました。
今でもお昼を召し上がると、「帰る」と言われることがありますが、
「車をご用意しますね」と肯定的にお返事をし、安心いただいております。
次第に奥様は生活ペースを取り戻され、お顔がとても明るくなりました。
今ではご趣味を再開されるようになり、ご自分の時間を楽しんでいらっしゃることのことです。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内