2016年09月21日

新しい環境に馴染めず何度も外へ

以前住んでいた家に行き 住民に通報されていた
奥様と二人暮らしの男性。
ご都合で近所へ引っ越されたのですが、新しい環境に慣れることができず、
奥様が不在の間に以前住んでいたお宅へ戻ってしまうことが度々ありました。
ドアを叩いたり、ベルを何度も鳴らしたりされるため、
住んでいる人に通報され、警察に保護されることも…。
そこで、近くのケアプラザに通うことになったのですが、
施設に着いたとたんに怒り出し、何度も出て行こうとされていたそうです。
「対応が難しい」とご利用を断られ、ケアマネジャーよりふるさとへ相談をいただきました。

ご利用開始前に訪問を重ね 「行ってみる」と言葉があったが…
スタッフがご自宅を訪問し、お話を伺ってみると、
奥様が仕事に行かれている間に外に出られることが頻繁にあり、
警察に保護されたことが、一度や二度ではなかったとのこと。
数回訪問し、ご主人とお話をさせていただくこと続けると、
「行ってみる」と言ってくださり、ご利用いただくこととなりました。
しかし初日、お迎えに伺うと、ご主人はご自宅にいらっしゃいませんでした。
以前住んでいたお宅付近でご主人を見付け、ご来所いただくことができました。

まずはスタッフと信頼関係をつくるために
施設に到着すると、目つきが険しくなり、
大きな声で「ここへは来ないって言っただろう!」と、玄関の方へ…。
たまたま玄関から出てすぐは、施設専用の駐車場でした。
スタッフも一緒に駐車場に出て歩いたり、お話ししたりしてご対応させていただきました。
それからご利用日は、いつも同じスタッフがご対応するようにしました。
ご主人は施設に来ることについて怒っていたのですが、
スタッフが「奥様の帰る時間に合わせてご自宅にお送りしますので、
それまでここで私と一緒にお話ししませんか?」と、何度もお話しさせていただくと、
「そうか」「分かった」などとお返事してくださることが増えていき、
少しずつ落ち着いてお話ししてくださるようになりました。

少しずつ笑顔が見られ 通うことが習慣に
それから回を重ねるごとに出て行こうとすることが減り、
徐々に室内で過ごす時間が長くなっていきました。
半年ほどすると、大きな声を上げることがなくなり、
そればかりではなく笑顔を見せてくださるようになりました。
また、それまで担当のスタッフ以外は受け入れてもらえなかったのですが、
ご利用開始から1年が過ぎた頃には、他のスタッフともお話ししてくださるように。
他のお客様と一緒にテーブルを囲んで過ごされ、
体操やレクリエーションも楽しんでくださるようになりました。
ふるさとに通うことが習慣になると、ひとりで出て行くこともなくなり、
奥様は安心してお仕事に行けるようになったとのことです。
ケアマネジャーより、「他のデイサービスで断られていたので、難しいのではと感じていました。
さすが認知症の方専門のデイサービスですね」と嬉しいお言葉をいただきました。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内