2016年09月14日

イライラと荒い言動の原因は手荷物だった

帰宅願望と粗暴行為でデイサービスを断られた
奥様と息子様と三人暮らしの男性。
もの忘れが増えはじめたことから、近所のデイサービスに通うことになったそうです。
しかし、突然大きな声を出したり、「帰りたい」と外へ出て行かれたりすることがあり、
職員に暴力的に振る舞うこともあり、「ご対応が難しい」とご利用を断られてしまいました。
ケアマネジャーより認知症の方専門のふるさとへ、とご紹介があり、
週に2回ご利用いただくこととなりました。

はじめに信頼関係を築くために担当スタッフからの送迎を
スタッフは以前のデイサービスでのお話を伺っておりましたので、
まずは、ご本人様との信頼関係を築くことが一番だと考えました。
初日から2人のスタッフがお迎えに伺うことにし、
以降も同じ2人が送迎を担当させていただくことに。
また施設では普段より多くのスタッフがフロアにいるようにし、
どのスタッフもご本人様の言動をよく見守ることにしました。

ご本人様の行動を止めずにお話をよく伺うと…
フロアのテーブルで皆様と一緒に過ごしていると、
時々お顔が険しくなり、席を立ったり、拳を上げたり、
イライラとしたご様子で他の方が驚くような怒鳴り声を出すことがありました。
周囲のスタッフは、他のお客様に危険がないよう見守りながら、行動を止めたりするのではなく、
「どうかなさったのですか」、「何かお探しですか」と、笑顔でお話を伺うようにしました。
するとご本人様は、ご自身が怒り出した理由や、席を立った理由などを、
ポツリポツリとお話ししてくださるようになりました。
よくお話を伺うと、手荷物が見当たらないことにご不安になっていたようでした。

「お預りしていますよ」とお話しすることで安心してお過ごしに
以来、お席をお立ちになったり、イライラした様子が見られた時は、
一緒に手荷物を確認しに行ったり、「きちんとお預りしていますよ」とお話しすることで、
安心していただけるようになりました。
すると、他のお客様と一緒にレクリエーションに参加してくださるようにもなりました。
ご家族様から「ふるさとに行くようになってから、顔が優しくなりました」と、
嬉しいお言葉をいただき、ご自宅でもとても穏やかにお過ごしになっていること。
ご利用日の朝は、手荷物をご自分で持ち、玄関でお迎えを待っていてくださり、
見送ってくださるご家族様に笑顔で手を振られ、ふるさとに来てくださっております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内