2016年07月13日

暴言に悩んでいた家族から 「わかってくれてありがとう」

周囲や家族に対する暴言や暴力に悩む日々
ご長男夫婦とお住まいの女性。
近所のデイサービスを利用していましたが、
周囲に対し暴言を吐いたり、暴力を振るったりすることが増え、
「他の利用者様に迷惑がかかるから」と、利用を断られてしまいました。
ご家族様に向かって、「お前たちは馬鹿だ!」、「ダメだ!」と怒鳴ることがあり、
親せきからは家庭での対応の悪さが暴言や暴力を招いていると、責められたそうです。

認知症専門のデイサービスへ
ケアマネジャーはご家族様に「認知症を理解し、対応できる施設へ」と提案。
ふるさとを紹介してくださり、はじめは週1回から通っていただくことになりました。
スタッフは、暴言や暴力のほとんどは認知症の症状からくるものであり、
ご本人にとってコミュニケーションのひとつではないか、と考え、
まずはどのような状況で乱暴な言動が見られるのか、
また、ご本人様の本当の気持ちを理解したいと思いました。

暴言や暴力もコミュニケーションのひとつ
施設では、暴力的な面や乱暴な発言はほとんど見られなかったのですが、
頻繁にスタッフを呼んでいました。
そのうち今度は室内中に響きわたるような大きな声で、
「おーい! 誰かー!」、「誰かー!!」と…。
時には5分おきに呼ばれることもありました。
ほとんどはお手洗いのことでしたが、他にも、「お茶が飲みたい」、「紅茶はいらない」、
「なにか食べたい」など、様々な訴えがありました。
お手洗いのときは、「どうぞこちらへ!」とすぐにご案内し、
飲み物のリクエストや変更は快くお受けし、ご用意しました。
スタッフが心がけたのは、「すぐに大きな声で返事をする」ことと、
喜んでいることがはっきり伝わるよう、「笑顔」でご対応すること。この2点でした。

ご本人様に見られた変化、スタッフにお礼 
その2点を心がけていると、少しずつスタッフにご自身のことを話してくださるようになりました。
時々、実際に目の前にあることをご自分なりに解釈され、
現実と離れてしまうことがあるのですが、
スタッフは、その世界観に合わせて相槌をうち、お話を伺っております。
その後も乱暴な言動はまったく見られず、
飲み物をお持ちしたり、ご案内したスタッフにお礼を言ってくださるまでになりました。
開始から4ヶ月が過ぎた頃から、ケアマネジャーの提案で週に2回に増やしていただくことに。
ご家族様からは「母のことをわかってくれて本当に嬉しい。ありがとうございます」と、
嬉しいお言葉をいただきました。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内