2016年06月29日

ひとり暮らしの生活を地域で見守る

近所にお住まいで、ご利用前からスタッフと顔見知り
ひとり暮らしの男性。
施設のすぐそばにお住まいで、ふるさとご利用以前から、
お見かけしたらご挨拶するくらいスタッフと顔見知りでした。
「楽しそうだから、ここ(ふるさと)に、来たいんだけど…」とおっしゃってくださることもあり、
スタッフは、担当ケアマネジャーと連絡を取り合うようになりました。

耳が聞えにくくなり、症状に進行が見られ…
「社交的なので利用者がたくさんいるデイサービスのほうが良いだろう」とのことで、
大きなデイサービスをご利用されることとなったのですが、
スタッフは毎日のように顔を合わせ、近所の顔馴染みとしてよいお付き合いを続けていました。
悪天候の日に出かけていたのを見かけて心配になり、ご自宅までお送りすることもありました。
ある日、スタッフがご自宅前を通ると、大きな音でテレビをご覧になっていることに気付きました。
お顔が見えたのでお声をかけると、テレビと現実が入り混じったような、
辻褄が合わないお話をされ、以前とは少し様子が変わっていたようでした。

地域の会議でふるさとも併用いただくことに
それからすぐに、スタッフが地域の会議に出席をする機会がありました。
その地域では、手助けを必要としている高齢の方や生活に困っている方などについて
定期的に会議を行っており、スタッフも介護サービス事業者として度々出席しておりました。
その日はご本人様についての会議が行われ、ケアマネジャーとご長男夫婦、
よく買い物をしに行くお店の店員、その他に消防の方などが集まっていました。
症状の進行も見られていることから、ご利用中のデイサービスと併用し、
ふるさともご利用いただくこととなりました。
以前から顔馴染みであるため、すんなりと施設にいらしてくださり、
またふるさとで一緒に過ごすゆったりとした時間を楽しんでくださいました。
スタッフは、ケアマネジャーや地域の方と連絡を取り合い、皆で状況を共有し、
ひとり暮らしの心配を少しでも減らすことができるよう努めました。
ご利用日以外の日もお顔出しをし、火の元のチェックやお食事の具合などを確認したり、
話し相手がほしいとのことで、時々ご自宅にお邪魔してお話を伺うこともありました。

ひとり暮らしの方を地域で支える仕組みをこれからも
ふるさとを数ヶ月ご利用いただいた後、ご家族様の判断でホームへ入居されることとなりました。
お顔が見られなくなったことは残念ですが、
ホームで安心の日々を送られているとご家族様より伺っております。
「これまで父が安全に暮らしてこられたのも、地域の皆さんのおかげです」と、
ご家族様より嬉しいお言葉をいただきました。
地域の皆で、ひとり暮らしの方の生活を数年間支えることができたことはとても印象深く、
これからも認知症専門施設として、地域の皆様へより貢献していきたいと思っております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内