2016年03月16日

努力家なご本人の焦燥感と苛立ち

脳梗塞の後遺症で半身麻痺 認知症状も進行していた
奥様と二人暮らしの男性。
以前から軽いもの忘れなどがあったそうです。
脳梗塞を発症し、身体を思うように動かせなくなってしまい、リハビリを開始。
以前はとても穏やかな方でいらしたそうですが、
リハビリ中は、人が変わってしまったかのように暴力的に…。
認知症状にも進行が見られたことから、ケアマネジャーの紹介でふるさとにいらっしゃることとなりました。

送迎の車の中で打ち明けてくださった思い
週3回ご利用いただくこととなったのですが、はじめの1ヶ月間は、
快く施設に来てくださるものの、お声かけに反応してくださることが少なく、
いつもどこか不機嫌そうに見えました。
スタッフは、施設で何か不快なことがあるのではないかと心配になり、
体調などをよく確認させていただいたり、積極的にお声をかけたりしていました。
また、送迎の時間は、男性スタッフと二人だけになる時間でしたので、
他の人がいる前ではお話しできないようなことも、
二人きりならお話しになってくださるのではないかと思い、よくお話しかけさせていただきました。
そこでご本人様がぽつりぽつりとお話ししてくださったことは、
『早く、元のように身体を動かせるように、がんばりたい』ということでした。

「わたしと一緒にがんばりましょう!」
ご本人様は、『早く動かせるようになりたい』という強い気持ちがあり、
現在のご自身の状態に苛立ちをお感じになっていたことを知ったスタッフから、
「○○様、わたしと一緒にがんばりましょう!」と何度もお話しさせていただきました。
それまでもエアロバイクで足を動かしたりしていただいていたのですが、
二人きりのお話をしてからは、これまで以上に積極的に。
口周りのトレーニングにとスタッフがカラオケをご用意すると、
ご自身でマイクを持って歌い、楽しみながらリハビリを行ってくださいました。
それから2ヶ月ほどが過ぎると、傾いていらっしゃった姿勢がまっすぐに。
口の動きも良くなり、お話しになる言葉が明瞭になっていきました。

以前のような穏やかさが戻り、話してくださった今後の夢
開始から半年が過ぎると、必要だった歩行時の介助が不要なくらいに回復。
ご自宅の段差をご本人様だけで上り下りできるようになったそうで、
奥様が大変驚いていらっしゃいました。
それに伴い、ご家族様の前でニコニコとしていらっしゃることが増えたそう。
施設では、レクリエーションに張り切って参加され、
声を出しながら笑うなど、とても楽しそうにされていることがほとんどです。
また、スタッフと二人だけになる送迎の時間には、
施設ではあまりお話にならないようなことを、お話ししてくださいます。
今後の夢は、ご趣味の畑仕事を再開し、収穫時にスタッフをご自宅に招いてくださることだそう。
奥様はそのことを知って、畑仕事をされるご準備をはじめているそうです。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 川崎市内