2016年03月09日

ご家族の笑顔がご本人の安心へ

ご本人の行動に都度注意… 疲れていた奥様
奥様と二人暮らしの男性。
暑い日に家中の窓を閉め切られ、冷房もつけずに過ごしていたり、
お醤油を飲み物のように飲んでしまったりしていたそう。
奥様はその度に注意をしなければらないことに、疲れてしまっていました。
何度かデイサービスをご利用になったのですが、どの施設でも対応できなかったそう…。
ケアマネジャーより「認知症の方専門のデイサービスへ」とふるさとの紹介があったとのことで、
ご見学にいらしてくださることになりました。

奥様と一緒に居たいから? 送迎の車も施設もイヤ
ご見学に来てくださった奥様は、個別でのご対応が可能なことを特に気に入ってくださり、
さっそくご利用いただくこととなりました。
ご利用日になり、お迎えに上がりましたが、
ご本人様はなかなか送迎の車にご乗車くださらず、ご不安そうな表情に…。
そこで奥様にも一旦送迎の車にご乗車いただくことにし、
出発する前、奥様にはお車から降りていただき、ご本人様とスタッフで施設へと向かいました。
施設でも、とてもご不安そうにされていて、何度もご帰宅になりたいとおっしゃり、
レクリエーションや体操などにご参加いただくことも、
スタッフと一対一でお話を楽しんでいただくこともできませんでした。

奥様の不安がご本人様の不安になっていた
送迎の時に奥様とお話をしていて、スタッフはあることに気付きました。
奥様は、何度注意しても聞き入れてくださらなかったことから、
ご本人様には気持ちも伝わらないと思い込んでいらっしゃるようでした。
そのため、ご本人様の目の前でお困りになっていることを、
包み隠さず、遠慮のない言い方でお話しされていました。
認知症の方には、お話しすることが難しくなってきていても、相手の言うことは理解できる方や、
短い単語やジェスチャーだと理解できる方など、様々な方がいらっしゃいます。
ご本人様は感情や気持ちは感じ取られていて、
奥様のことには大変敏感になっていらっしゃるようでした。
スタッフは、物忘れが進行しても感情は理解される方が多くいること、
ご本人様は施設でのお声かけを理解してくださっていること、などをお話ししました。

今では「行ってくるね」と進んでご乗車に
それから奥様は、笑っていること、ご本人様の前で悪いふうに言わないことを心がけるようになったそう。
また、スタッフがご本人様へお声をかけるように、
奥様もゆっくり、はっきりとお話しかけるようにしたそうです。
すると、ご本人様は穏やかになり、落ち着いていらっしゃることが増え、
施設ではご帰宅になりたいとおっしゃることも減っていきました。
今ではお迎えに上がると進んで送迎車にご乗車になってくださり、
奥様へ「行ってくるね」とおっしゃっています。
ご本人様が快く通ってくださることに、奥様はとても喜んでくださり、
奥様が喜んでくださっていることが、さらにご本人様のお気持ちを落ち着かせているようです。
ご家族様の笑顔がご本人様の安心へ繋がっていくということをスタッフ一同実感し、
今後も安心してお過ごしになれるよう、精一杯サポートさせていただきたいと思いました。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内