2016年02月24日

トイレも入浴も躊躇するほど一時も離れられない

奥様が少しでも見えないとご不安になっていた
奥様と二人暮らしの男性。
以前は、奥様とよくお出かけをされていたそうですが、
認知症が進行するにつれて、外出がお嫌いになっていったそうです。
また、ご自宅で奥様の姿が少しでも見えなくなるとご不安になるため、
買い物など短時間の外出もままならない状況だったそう。
奥様にどうしても外せない用事がある時は、お近くに住むご長男がご自宅へいらしたそうですが、
「お母さん(奥様のこと)はどこ?」とおっしゃり、家中をお探しに。
奥様はすぐにご自宅に戻らなければならなりませんでした。

「デイサービスなんて行けるわけがない」と奥様
ケアマネジャーがデイサービスの利用を勧めたのですが、
奥様は「デイサービスなんて行けるわけがない…」とおっしゃっていたそう。
ケアマネジャーよりふるさとへ「奥様に休息をとってもらいたいのです」とご相談がありました。
早速スタッフはご自宅を訪問し、奥様にお話を伺わせていただきました。
ご本人様は、奥様が少しでも離れると「お母さん、お母さん!」と何度も呼ばれ、
奥様はゆっくりお風呂に入ることもできず、お手洗いへ行くのも躊躇されるようになっていたそう。
「やっぱり、デイサービスは無理だと思います」と沈んだご表情で、おっしゃっていました。
スタッフは、ふるさとではどんなに外出がお嫌いで、ご不安が強い方でも、
一旦ご来所になると楽しく過ごしてくださっていることをご説明。
ご家族様にもご自身の時間は必要であり、どうか安心してお任せいただきたいとお話ししました。
すると奥様は、「利用してみようかな…」とおっしゃってくださり、
週1回のご利用が決まりました。

何度も「お母さんは?」 きちんとお話しすると安心された
外出がお嫌いとのことでしたが、スタッフがお迎えに上がると、
ご本人様は嫌そうなお顔をせず、ご来所になってくださいました。
奥様がいらっしゃらないことに気付くと、「お母さんは?」とお訊ねになりましたが、
スタッフから、奥様は買い物に行かれていることをご説明し、
「夕方にはご帰宅されるそうですよ」とお話しすると、「ああ、そうか。分かったよ」とお返事に。
しばらくすると再び奥様のことをお訊ねになりましたが、
その度にスタッフから、きちんとお話しさせていただきました。
お食事も召し上がり、その後は一緒に歌の時間も楽しんでくださいました。
夕方までお過ごしいただき、ご帰宅の時間に。
ご自宅では、奥様が大変驚いたご表情で迎えてくださいました。
『デイサービスなんて無理に決まっている』と思っていらした奥様は、
途中で施設から帰ってくるのでは、と気が気でなく、ずっとご自宅で待っていらしたそう。
スタッフから施設でのご様子をお話しすると、ホッと安堵のご表情を浮かべていらっしゃいました。

ご利用日は奥様のお出かけの日 ご自身の時間を楽しまれるように
それから2回、3回とご利用いただくうちに、
奥様は夕方までの時間を、安心してゆっくりとお過ごしになれるようになったそう。
送迎の際にお話しさせていただくと、徐々に奥様のお顔つきが明るくなっていくのが分かりました。
それからすぐにケアマネジャーの判断で、ご利用を週3回へ増回していただくことに。
ケアマネジャーより「奥様が『自由時間ができました』と大変喜んでいましたよ」とのご連絡もいただきました。
現在は週3回ご利用いただいており、ご利用日は、奥様はお出かけされるなどして、
ご自身の時間を楽しまれているとのことです。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内