2015年09月16日

レクリエーションに参加されない理由に気付いて

話の辻褄が合わなくなり 時には言い争いに
ご主人と二人暮らしの女性。
地域福祉のお仕事をされていたそうですが、
感情豊かではっきりと自己主張をされる方で、
時々、職場の方と言い合いになることもあったそう。
次第にお話の辻褄が合わないことが増え、
時には大きな声で言い争いになってしまうこともあったそうです。

ケアマネジャーからの紹介でふるさとへ
ご家族様と一緒に病院へ行かれ認知症と診断されました。
デイサービスの利用を勧められたそうで、ケアマネジャーよりふるさとをご紹介いただきました。
お迎えに上がると快く施設に来てくださったのですが、
はじめのうちは、ゆっくりと過ごしていただくことができませんでした。
レクリエーションなどが始まるとそわそわとされ、頻繁に席をお立ちになりました。
「どうかなさいましたか」とお声をかけると、「私、帰ります」と玄関の方へ…
スタッフも一緒に歩きながらお話を伺うと、
ご本人様は「小さな子どもがいるから、家に帰らなくてはいけない」とおっしゃり、
家事もたくさんあるのでゆっくりしている暇はない、とのことでした。
お子様はすでに成人し、独立されているとご主人より伺っておりましたが、
「そうですか。それは大変ですね」とお気持ちに同調するようお話しかけました。
お話をしばらくすると、落ち着いた様子で席に戻られるのですが、
歌や体操などを始めようとすると、再び席をお立ちになりました。
それからは、常にスタッフと一対一で過ごしていただくようにしました。

お話をしていくうちに分かったこと
そうしてお過ごしいただくうちに、スタッフはいくつかのことに気が付きました。
歌の時間になると険しいご表情になり、歌詞カードを払いのけられるのは、
文字の認識や読むことが困難になられているのではないか、
体操や運動のレクリエーションになるとそわそわされるのは、
複雑な動きや細かい動作が苦手になってこられているからではないか、ということでした。
スタッフは、「できる、できた」と感じ、楽しく参加していただきたいと思い、
歌の時間は歌詞を覚えていらっしゃる童謡などを中心にし、
レクリエーションは、明快なゲームを積極的に行うように。
すると、少しずつ参加してくださるようになり、
大きな声で歌ったり、ゲームに集中したりと楽しんでいただけるようになりました。

以前のようなご本人様らしい場面が至る所で
ご利用開始から1年ほど経過すると、
優しく面倒見の良いご本人様らしさが至る所で見られるようになりました。
見慣れないスタッフがいるとすぐに声をかけ、
「困ったことがあったら何でも言ってね。ここの人は皆いい人よ」などと、おっしゃってくださっています。
今では大きな声で笑ってくださることもとても多くなり、毎回、楽しそうに過ごしてくださっております。

認知症対応型通所介護施設 デイサービスふるさと 横浜市内